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スリー・ビルボード(Three Billboards Outside Ebbing, Missouri)

謎に満ちた
アメリカの罪の物語。


観終わった後に
疑問がたくさん残る映画。
その謎を考えていくことで
監督の罠にはまっていく。

原題は、Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
「ミズーリ州エビングのはずれに立てられた3枚の立て看板」
という意味。

アメリカ南部の田舎町。
娘がレイプされ殺された母親。
彼女は車もあまり通らない
道路沿いの3つの看板を借りて
真っ赤なバックに文字だけの広告を出す。

冒頭、この順番で映される。

HOW COME, CHIEF WILLOUGHBY?
(どうして、ウィロビー署長?)

AND STIL NO ARRESTS?
(逮捕はまだ?)

RAPED WHILE DYING
(レイプされて殺された)

主人公のランボーを思させるファッションの母親。
善良に見える所長。
その部下で暴言を吐きまくる警官。
母親に看板を貸した広告代理店の若い社長。
南部の癖あり人物が続々登場し
汚い言葉を吐きまくり、
犯人は見つからないまま物語は進む。
署長の自殺から物語は急転し
ラストは母親と警官が車で
真犯人と思われる人物を追いかけるところで終わる。

随所にキリスト教を思わせる隠喩が散りばめられ
罪と許しの物語であることを示唆する。

そして、真犯人は提示されないまま終わる。

ネットでの評論は概ね
登場人物たちの多彩なキャラクターに言及したもの
キリスト教との関連を示唆したもの
そして、異質なのは実は冒頭に犯人が提示されているというもの。

多彩な読み方が語られるほどに、監督の罠にはまっていく。

『ツインピークス』を彷彿とさせる設定。
もちろん、監督はそんなことは織り込み済みで
だからこそ、確信犯に思える。

冒頭に犯人が提示されている。
そして、それを知らずに警官と母親は旅立つラストという読み方に
一番興味を惹かれた。
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世界は今日から君の物

引きこもりって言うな!

門脇麦主演のニート脱出ストーリー。
予定調和はわかっていたけれど
引き込まれた。
工場勤めをするも首。
父親が見つけてきたデバッカーの仕事から
ひょんなきっかけで
ゲームキャラクターのイラストレーターへ。
ところが、大抜擢された新作のキャラクターができず
失踪し、デバッカーへ逆戻り。
ある少女との出会いをきっかけに
再びイラストレーターとして歩み出すストーリー。
そんな簡単じゃないよという声が聞こえてきそうですが
内に才能を秘めていた女性が飛翔する物語として
素直に観たい、観られた映画でした。

ホース・ソルジャー

戦争映画はどう見るべきなのか?

アメリカ同時多発テロ事件直後のアフガニスタン戦争。
アメリカが最初に行った反撃を描いた。
総勢5万のタリバーン軍にわずか12人で、
馬に乗って戦った
アメリカ陸軍特殊部隊員たちの実話の映画化なのだが。

同時多発テロは衝撃的な事件だった。
もはやアメリカ国内での戦争と言ってもいいかもしれない。
だが、それ以降、アメリカのイラクやタリバーン攻撃は
すべて善とされた。
もし、同時多発テロが日本国内で起こったと考えたら
国民感情として、その首謀者の国や団体への
報復は善と感じるかもしれない。
そうしたモヤモヤを抱えつつ観ると……。

もはや12人の馬に乗った兵士は善としか描かれない。
しかも、一人も死なない。
タリバーンは悪。
そして、アメリカの爆撃機による攻撃の後に
12人は攻め込む。
この物量は怖い。
しかし、善。

かつて。
ベトナム戦争後に描かれた数々のアメリカ映画は
その根底に反戦や厭戦があったとしている。
それが今、時代は逆行し
戦争は善と描かれる。
それをエンターテインメントとして
素直に楽しめない自分がいる。

やはり、題材の選び方に
内にこもる大国アメリカの今がある。

しかし、
人類の歴史は戦争の歴史であるのも事実だ。

レディ・プレイヤー1

VRワールド「オアシス」、
そして、現実へ。
少年と少女は駆け巡る。

今から27年後の世界。
人々はゴーグル一つで没入できる
VRワールド「オアシス」に生きていた。
ある日、オアシスの天才創設者からの遺言が発表される 。
「全世界に告ぐ。
オアシスに眠る3つの謎を解いた者に
全財産56兆円と、この世界のすべてを授けよう」
企業と個人を巻き込んだ争奪戦が始まる。
主人公パーシヴァルもその一人。
少年はレジスタンスのアルテミスや
オンラインの仲間たちと
大企業IOI(イノベイテブ・オンライン・インダストリーズ)社社長
ノーラン・ソレントと戦っていく。
物語はいつしかVRを超えて
現実世界へと広がっていく。
後半ドライブ感のあるストーリーと映像で
一気におもしろさが加速した。

スイミングプール

サラ、ひと夏の幻想か?

サラは女流推理作家。
行き詰まりを感じ
出版社社長のジョンの南仏の別荘へ。
ジョンは来ない。
しかし、ジョンの娘ジュリーが突如現れる。
男を連れ込み、セックスを繰り返すジュリー。
次第にジュリーに影響されていくサラ。
そして、ジュリーの物語を紡ぎ始める。
しかし、ジュリーは男を殺してしまう。
2人で死体を隠す女性たち。
サラは出版社へ。
送っていた原稿をジョンは否定する。
しかし、すでに他の出版社で本となっていた。
その書籍をジョンに見せるサラ。
タイトルは「スイミングプール」。
サラは去る。
そこへ歯の矯正器具を付けた地味な女の子が。
ジョンの娘ジュリーだと言う。
別荘に戻ったサラはジュリーに手を振っていた。

監督のフランソワ・オゾンはインタビューでこの作品について
「次々と多くの映画を作り続けて、その想像力の源を聞かれることが多かったので、それに答えるため」、
また「映画監督自身よりイギリスの女性推理作家に投影するのが良いだろうと考え」てこの映画を作ったという。

謎の多い作品。
結論の出ないもどかしさ。
夏のプールサイドの迷宮。
南仏の静けさが、また、幻想を醸す。
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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