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本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > アーカイブ - 2010年03月

時間と他者

3月6日分。
哲学書。
昨日と同じレヴィナスの著書。

以下抜き書き。

われわれは他者たちと共にある。
このような関係はすべて、他動詞的である。

まさに私の実存することこそが、
絶対的に自動詞的な要素を、
つまり、志向性や関係性をもたない何ものかを
構成するのである。

存在するということは、
〈実存すること〉によって
孤立することである。

私には戸口も窓もない。

あらゆるものを想像のうえで
一掃した後に残るのは、
イリヤ(ある)という事実である。

〈実存すること〉は、
まさに一切の自己の不在なのだ。

イリヤは、そこで位相転換(品詞転換)が
生じる場なのである。

存在は不快である。
それは際限がないからだ。

意識とは
イリヤという匿名的な覚醒状態の中断だ。

実存者の出現は、
〈実存すること〉のうちに、
支配を、そして、自由を設立すること
そのものなのである。

位相転換という出来事、
それは現在なるものである。

最初の自由。
それは始まりの自由である。

自己同一性とは
単に自己からの出発ということだけではなく、
それはまた自己への回帰でもあるのだ。

現在は、無限の〈実存すること〉の網目を
引き裂いたのである。

孤独が悲劇的なものであるのは、
自己同一性という拘束状態のうちに
閉じ込められているからである。

苦悩とは、
存在に直接さらされている
という事実なのだ。

苦悩とは、
無の不可能性ということなのである。

死は、
主体がそれとの関係で
もはや主体とはならないような
出来事を告知しているのである。

私の孤独は、
死によって断ち切られるのだ。

未来とは、他者なのだ。

性愛の悲劇は、
二人で在るという事実のうちにある。

愛には、理由はない。

父たることとは、
異邦人との関係である。

時間と他者 (叢書・ウニベルシタス)時間と他者 (叢書・ウニベルシタス)
(1986/01)
エマニュエル・レヴィナス

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[ 2010/03/30 07:43 ] | TB(0) | CM(0)

実存から実存者へ

3月5日分。
哲学書。
内田樹氏の著書から導かれて。
哲学は不変的な人間の論理を追求したものだが
しかし、その哲学者が置かれた環境からの影響は大きい。
エマニュアル・レヴィナスは
ユダヤ人としてアウシュビッツ収容所にいた。
家族はほとんど殺されたという。
レヴィナス自身は生を得た。
そして、この著書のほとんどが
そのアウシュビッツで書かれたものだという。
これは希望をもちにくい状況下でありながら
第二次世界大戦を超えて新たな人間のあり方を
問うた書であるといえる。

以下は書き抜き。

存在とは、存在するという禍いなのだ。

実存は、自分の実存の旅をもつれさせる重み--
それが自分自身にほかならないとしても--
を引き摺っている。

怠惰が、何かに対して無力な歓びのない嫌悪であるかといえば、
それはこの重荷としての実存なのだ。

怠惰は、未来に疲れることだ。

努力は疲労から沸き立ち、疲労の上に崩れ落ちる。
努力の緊張と呼ばれるものは、
飛躍と疲労のこの二重性からなっている。

努力は演戯を排除する。

努力とは瞬間の成就そのものなのだ。

疲れるとは、存在するのに疲れることだ。

愛の特徴は、それが本質的で癒しがたい
飢えだということである。

夜の恐怖は仮借ない実存なのである。

実存者とは、意識なのだ。

現在とは、実存者がいるという事実そのものなのだ。

(実存者の)解放のためには、時間と〈他人〉が必要なのだ。

実存から実存者へ (講談社学術文庫)実存から実存者へ (講談社学術文庫)
(1996/11)
E. レヴィナス

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[ 2010/03/29 11:04 ] | TB(0) | CM(0)

3月4日分。
下のDVDではなく、NHKのドラマで見た。
松本清張生誕100年を契機に
松本清張の映画やドラマが多く見られる。
このNHKドラマもその1本。
谷原章介が主人公。
役者として成功の道を歩み始めた“彼”には
昔、女性を殺害した過去があった。
その女性と一緒の列車内の姿を
ある男に見られていた。
事件は迷宮入りとなっていたが
“彼”はその見られていたある男の存在を
片時も忘れたことはなかった。
ラストの幾層にも重なった
どんでん返し。
その重層構造が
見る者に何とも言えない思いを積もらせる。
成功と過去の罪に落ちゆく恐怖。
見られている“顔”。
女性の嘘と思い。
それらが襲いかかる。
顔 [DVD]顔 [DVD]
(2009/09/26)
大木実岡田茉莉子

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虐殺器官

3月3日分。
『虐殺器官』(ぎゃくさつきかん)という書名。
“伊藤計劃”(いとうけいかく)PROJECT ITOHという作者名。
全面漆黒の表紙にあふれだす文字、文字。
読む前から、負のイコン(聖像)が読者をつかむ1冊だ。
2007年のSFベストに選ばれた本作は
意外にも読みやすい。
舞台は近未来。主人公は“ぼく”。
いきなりの戦場シーンから幕が開く。
冒頭で衝撃的なビジュアルを提示し
読者をとらえる映画的な手法。
“ぼく”はアメリカの暗殺部隊の一員。
海外のキーパーソンを暗殺する虐殺器官。
911から始まった近未来。
そこでは、サラエボが核爆弾で消滅し
アメリカは“デリバリーピザの日常”を守るために
テロとの戦いに明け暮れていた。
生態器官を活用した武器群
精神医学による兵士の精神コントロール
これらによって戦いは彩られていた。
ジョン・ポールというアメリカ人が
行くところ行くところに内戦が起こり
“ぼく”を中心とした部隊は
暗殺のために世界を飛び回る。
“ぼく”は母の安楽死を認めた心の痛みがあり
また、死が日常の中で日々戦う痛みがあった。
そこから否が応でも
「生と死」というテーマが浮かび上がってくる。
このSFが読みやすいのは、SFのためのSFではなく
(優れたSFはみなそうだが)
現代を問うたSFだからだ。
著者の伊藤氏は34歳で亡くなった。
著書はわずか数冊。
しかし、この本を読んだだけで
彼の密度はぼくを圧倒した。

印象的なフレイズを。

ぼくにはことばが、人と人のあいだに漂う関係性の網ではなく、
人を規定し、人を拘束する実体として見えていた。

ぼくらは三十だ。ぜんぜん大人になれていない。
少なくともこのアメリカで消費サイクルに組み込まれているあいだは。

ピザ屋がピザを作るように、
戦争もまたある立場からは、単なる業務にすぎないのだ。

人間は、見たいだけしか見えないようにできているんだ。

羽をばたつかせながら、それはぼくの開かれた中指に停まった。
フェロモンを滴らせていた中指に。

CNNのクリップ・チャンネルの世界。
ドミノ・ピザの普遍性。
映画ストリーミングサービスの冒頭十五分。
ある深さまでしか辿られることのない物歴。
ぼくらの倫理的ステージは、
まだそのあたりでうろうろしている。

人々は屍の上に立っていることに気づいていない。

いま、ここにある地獄。
ぼくは自分という地獄に閉じこめられた。

●解説で言及している図書など
ブルース・スターリング『ネットの中の島々』
ブルース・スターリング『ホーリー・ファイアー』
ウィリアム・ギブソン『ニューロマンサー』
グレッグ・イーガン『万物理論』
テッド・チャン『あなたの人生の物語』
小島秀夫監督『スナッチャー』『メタルギア』
黒沢清監督『CURE』
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
(2010/02/10)
伊藤計劃

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[ 2010/03/23 11:07 ] | TB(0) | CM(0)

ファンタスティック・フォー:銀河の危機

3月2日分。
テレビの録画で見た。
アメコミのヒーローものの映画化。
ある出来事により特殊能力を得た4人組が
地球平和のために戦う。
今回の敵は宇宙から来たシルバーサーファー。
これがターミネーター2の敵のように
シルバーでグニャグニャの質感。
この敵が地球上に災害をもたらし
ファンタ4が立ち向かう。
やけに軽いノリ。
フワフワした問題提起。
考えないヒーローたちといっていいだろうか。
かなりクラシカルな意識しか感じられない。
軽さが今の軽さでない。
何か古臭いアメリカのりの映画だ。
ファンタスティック・フォー:銀河の危機 (特別編/初回生産分限定特典ディスク付・2枚組) [DVD]ファンタスティック・フォー:銀河の危機 (特別編/初回生産分限定特典ディスク付・2枚組) [DVD]
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史上最強の人生戦略マニュアル

3月1日分。
今名前を出せば本が売れる
勝間和代さんの訳した人生本。
なぜ私はいま人生や仕事で不遇なのか。
その原因は自分の態度にあると語る本。

エッセンスを紹介。

①すべての人がいちばん恐れるのは、「拒絶される」ことである。
②すべての人がいちばん必要としているのは。「受け入れられる」ことである。
③人を動かすには、相手の自尊心を傷つけない、もしくはくすぐるようなやり方をとらなければならない。
④人は皆-例外なしに-どんな状況にさしかかっても、「自分はどうなるのだろう?」という不安を、少なくともある程度は抱く。
⑤人は皆-例外なしに-自分にとって個人的に大事なことを話したがる。
⑥人は、自分が理解できることだけに耳を傾け、自分の中に取り入れる。
⑦人は、自分に好意を持っている人を好み、信じて頼る。
⑧人はしばしば、はっきりした理由もなく行動する。
⑨上流階級の人の中にも、料簡の狭いつまらない人間がいる。
⑩すべての人にはー例外なしにー「外面」がある。あなたは、その仮面の向こうにあるものを見なくてはならない。

なぜ私は自分にこんな仕打ちをするのか? 違う結果を引き出すためには、私はどんな考えや態度、選択を変えればいいのか?

あなたは今の人生、今抱いている感情、その感情に対する反応に責任がある。

あなたは、人生の中で得ている見返りによって、自分の行動を形成している。見返りを見つけてコントロールしよう。そうすれば、自分自身の行動だろうと他の人の行動だろうとコントロールすることができる。

偶然の出来事など存在しないのだ。あなたは、選択や行動によって自分自身の経験をつくりだしているのである。

違うことを「する」ようになるまで、人生は何も変わらないだろう。あなたがたぶん、自分に問いかけなければいけない質問は、「今しないなら、いつするのか?」という質問だろう。

現実なんてない。あるのは認識だけだ。

あなたが管理している人生は、あなた自身のものだ。あなたが管理している人生の感情面、社会面、精神面、身体面--これらはすべてあなた自身のものだ。目的を持って管理しよう。知識を持って管理しよう。どんな選択をするかで、あなたの心の状態が決まる。目的と知識を持って選択すれば、あなたは望むものを手に入れられるだろう。

自分に対して罪を犯した人間が、あなたにそうした役割を押しつけるのを許せば、あなたの負けだ。そのことをわかってほしい。彼らのせいで、憎しみや怒り、憤りを抱くようになれば、あなたの負けなのだ。

史上最強の人生戦略マニュアル史上最強の人生戦略マニュアル
(2008/09/27)
フィリップ・マグロー

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[ 2010/03/21 06:49 ] | TB(0) | CM(0)

デミアン

2月28日分。
ヘッセの作品。
第一次世界大戦直後に書かれた本。
“ぼく”という主人公が
デミアンという不思議な友だちに出会い
そのときどきで自分の内面と関わる人と出会いながら
デミアンへ帰結していく物語。
第一次世界大戦後のヨーロッパの精神的な荒廃の時代に
大きな共感をもって受け入れられた。
ストーリーは青春の徘徊といった感じで
そこに散りばめられている言葉が響く。

印象的なフレーズをいくつか。

死と新生の体験、それは
幼年期が腐朽して、しだいにくずれおちてゆくとき、
すなわち、いとしくなったすべてのものが
われわれを見捨てようとして、
われわれが突然、宇宙のさびしさと、
死のような冷たさを、身のまわりに感じる、
このときだけなのである。

いちど、日曜の午前に、
ある酒場を出たとたん、往来で子供たちが、
明るく楽しそうに、
髪にくしを入れたばかりのすがたで、
日曜の晴れ着をきて、
あそんでいるのをみたら
ふと涙がこみあげてきた。

酒場に陣取って、ぼくは世間とけんかしていた。

鳥は卵からむりに出ようとする。
卵は世界だ。
生まれようとする者は、
ひとつの世界を破壊せねばならぬ。

神的なものと悪魔的なものを融合する。

真の天職とはただひとつ、
自己自身に到達することだ。
デミアン (岩波文庫)デミアン (岩波文庫)
(1959/01)
ヘルマン ヘッセ

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[ 2010/03/20 04:46 ] | TB(0) | CM(0)

日本人の好きなもの

2月27日分。
2007年にNHKが行った調査をまとめた本。
タイトル通り、日本人が好きなものを探ったアンケート調査。
結果は当たり前なものが多いが
食、生き物、スポーツなどが対象。
好きな食べ物で“みそ汁”が第4位に入っていたのが意外。
するスポーツの第1位はボウリングも意外。
年代別にもランキングがあるので
年代を絞って読めばまた面白い発見がありそう。
その世代のプロフィールが見えてくる?
日本人の好きなもの―データで読む嗜好と価値観 (生活人新書)日本人の好きなもの―データで読む嗜好と価値観 (生活人新書)
(2008/01)
NHK放送文化研究所世論調査部

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[ 2010/03/20 04:27 ] | TB(0) | CM(0)

タイヨウのうた

2月26日分。
テレビの録画で見た。
映画は冒頭でその監督のリズムがわかる。
この映画も冒頭
海沿いの高台の家の窓から見た
風景の映像が長く続く。
そのリズムがやはり全編を通していく。
ゆくりと静かに描かれていく。
YUI演じるカオルは
太陽を浴びると死に至る病を抱える少女。
昼寝て夜起きる生活を繰り返している。
窓から眺めるバス停でたわむれる男子生徒のコウジを好きになる。
カオルは夜になると歌を歌いに駅前へ行く。
そこで好きだったコウジが歩いてゆくのを見て
思わず追いかけてしまう。
YUIの歌にはこの物語をリアルに変えてしまう
何とも言えない説得力がある。
歌う前のギターをいじるしぐさも何とも自然だ。
ちょっとぎこちないセリフ回しも
少女の初々しさを醸し出す。
そして、しばらく経って偶然再会したカオルとコウジ。
夏休み最初の日に横浜へ歌を歌いに行く。
歌いだすとどんどん観衆が増えていく。
ここはちょっと鳥肌が立つ。
その帰り。太陽が昇る直前まで
外にいたカオルは
コウジに病気のことを告げられず
振り切って走って家へと向かう。
これまでのゆったりとした映像から
必死に走るカオルに思わずこちらもこぶしを握ってしまう。
そして、間一髪家に飛び込むが
コウジとはそのまま会えない日々が続く。
そして、父親の演出で
カオルとコウジは再会し、
そこでコウジはカオルの自主製作CDのために
バイトをしていたことを告げる。
しかし、カオルの病気は神経を侵し始めていた。
ギターが弾けなくなるカオル。
コウジの励ましもあって歌の録音にこぎつける。
最後にカオルは亡くなってしまうが
その歌は静かに広まり始める。
江の島周辺を舞台にサーフィンが趣味のコウジ
歌に思いを込めるカオルのストーリーは
心にじわじわとしみてくる。
歌の力が映画の力をほんの少し上回っている。
静かに涙が流れる映画だ。
タイヨウのうた スタンダード・エディション [DVD]タイヨウのうた スタンダード・エディション [DVD]
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YUI塚本高史

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ワイルド・ソウル(上)(下)

2月24日・25日分。
大藪春彦賞
吉川英治文学新人賞
日本推理作家協会賞
史上初の三冠に輝くミステリー。
1961年、日本政府の募集でブラジルに渡った日本人移民。
だが、その入植地は密林で、移民たちは次々と命を落としていった。
こうしたブラジルの移民の苦境がリアルに描かれる上巻の前半である第一章。
まるでドキュメンタリーを読むような臨場感。
そして、命を落としていく人々の中にあって
かろうじて生き延びる人たちが出てくる。
そこで感じるのは日本政府に対する憤り。
そして、第2章。一気に舞台は日本の現代へと移る。
これ以降はブラジル移民として生き延びた男たちの2世たちによる
日本への復讐談となる。
主人公はケイというブラジルで青果市場で名を挙げた男。
そして、コロンビアマフィアのマツオ。
この二人に日本人記者・貴子がからみ
事件は起きていく。
マツオとケイの復讐とは?
そして、最後には手に汗握る逃走劇が待っている。
ブラジル移民という現実に裏打ちされて
ドラマはリアルに読む者の胸を打つ。
ケイと貴子のラブストーリーもいい。
南米特有の明るさとビートが全編に脈打つ傑作だ。
ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)ワイルド・ソウル〈上〉 (新潮文庫)
(2009/10/28)
垣根 涼介

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ワイルド・ソウル〈下〉 (新潮文庫)ワイルド・ソウル〈下〉 (新潮文庫)
(2009/10/28)
垣根 涼介

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[ 2010/03/18 17:09 ] | TB(0) | CM(0)

こんな日本でよかったね―構造主義的日本論

2月23日分。
「こんな日本でよかったね」
このタイトルは小泉首相が構造改革を旗印に
日本を変えようとしている際
それに違和感を覚えてつけたという。
今となってみれば、
小泉構造改革がすべて悪だとは言わないが
ゆり戻しや破たんがあちこちで起きている。
それよりも何よりも日本の赤字問題は
またまた棚上げにされている。
でも、そういった不安感を持ちながらも
「こんな日本でよかったね」という言葉は
今の日本に安堵感をもたらす。
内田先生は構造主義を分かりやすく語る大学の先生。
さてさて、構造主義とは何かを簡単には語れないが
(理解できてないので)
本書からひたすら抜粋。

「私は知っている」ではなく、「私にはよくわからない」から
始まる知性の活動、私はそれが構造主義だと理解しています。

作家は作品のあとにはじめて存在し始めるのである。
モーリス・ブランショ

「言いたいこと」は「言葉」のあとに存在し始める。

リアルなのは言葉だけである。
言葉の向こうには何もない。
けれども言葉は「言葉の向こう」があるという
仮像をつくりだすことができる。

古代中国社会に濃密に漂い、
リアルに人を撃ち殺すだけの力をもっていた祝能と
それを統率するダイナミックな力をもつ文字についての
物語を読んでいると、私は胸がどきどきしてくるのを感じる。

子どもには先行世代に
「対立する態度を取る同性の成人」が
最低二人は必要だということである。

なぜ、葬礼を行うのか?
理由はひとつしかない。
それは葬礼をしないと死者が
「死なない」からだ。

人生はミスマッチ。
平川克美

レヴィナス老師が私たちに求めたのは
目が覚めるたびに「私は誰でしょう?」と
問いかけるような「知性の次数」の繰り上げである。

コミュニケーション感度の向上を妨げる要因は、
「こだわり・プライド・被害妄想」。
春日武彦

「強い個体」とは「礼儀正しい個体」。

世界を一気に救おうと考えは人間の人間性を損なう。
レヴィナス

「女性的なもの」の本質は「無償の贈与」。

できるだけ今の自分と縁の遠い人間の書いた本を読むこと。

すべての世界史的な大事件や大人物は二度あらわれるものだ。
ヘーゲル

「リセット」の誘惑に日本人は抵抗力がない。

泣くべきときに正しい仕方で泣けること。

構造主義的なものの見方とは、私たちの日常的な現象のうち
類的水準にあるものと、民族誌的水準にあるものを
識別する知的習慣のことである。

こんな日本でよかったね―構造主義的日本論 (文春文庫)こんな日本でよかったね―構造主義的日本論 (文春文庫)
(2009/09/04)
内田 樹

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[ 2010/03/11 09:43 ] | TB(0) | CM(0)

ホットロード1・2・3

2月20日・21日・22日分。
しばらく積んであったホットロードを
全巻一気に読んだ。
宮市和希14歳の少女。春山洋志16歳の少年。
友だちの誘いで見に行った暴走族に
春山はいた。
そして二人は魅かれあっていく。
紬木たくの絵って本当にリリカル。
暴力シーンを描いていても
誌のように感じる。
ここに描かれているのは
少年と少女の大人への通過儀礼。
暴走族にかけた春山が
それゆえにつけを払うことになり
最後には和希と一緒に生きていくことを選ぶ。
前半は毎日を祭りのように楽しむ暴走族の青春が描かれる。
少年期の終わり。人は圧倒的な欠落感を感じて
何かを探し始める。
それが春山の場合はバイクであり
和希の場合は春山だった。
後半は暴走族という行為に対する
罪と罰が語られる。
大人になるための罪と罰。
しかし、心惹かれるのは
大人になる前の春山と和希。
二人のハッピーエンドは
なぜか少し淋しい。
もうあの頃には戻れないから。
戻らないから。
ホットロード 1 完全版 (集英社ガールズコミックス)ホットロード 1 完全版 (集英社ガールズコミックス)
(2006/07/25)
紡木 たく

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ホットロード 2 完全版 (集英社ガールズコミックス)ホットロード 2 完全版 (集英社ガールズコミックス)
(2006/08/25)
紡木 たく

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ホットロード 3 完全版 (集英社ガールズコミックス)ホットロード 3 完全版 (集英社ガールズコミックス)
(2006/09/25)
紡木 たく

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[ 2010/03/09 09:18 ] | TB(0) | CM(0)

ボトルネック

2月19日分。
ボトルネックはSF青春ミステリって感じ。
恋人が自殺した東尋坊を訪れたぼくは
パラレルワールドに突然連れ去られる。
そこにはぼくの代わりにサキというひとつ年上の
姉がいて、ぼくのかわりにいろいろ行動し
恋人も生きていた。
で、俄然焦点はどうやってぼくが
もといた世界に帰るかなんだけど
ある言葉をきっかけに戻れて
しかもパラレルワールドに行ったのは
恋人の呪いだっていう。
サキというもとの世界にいない
快活な姉との行動はおもしろいけど
この落ちは何となく
腑に落ちない。
余韻を残そうとしていて
それが青春の残滓だって
感じさせたかったことは
わかるけど、でも、腑に落ちない。
ボトルネック (新潮文庫)ボトルネック (新潮文庫)
(2009/09/29)
米澤 穂信

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[ 2010/03/06 05:17 ] | TB(0) | CM(0)

いつか、虹の向こうへ

2月18日分。
ハードボイルド小説。
横溝正史ミステリ大賞受賞作品。
読んでたときはおもしろかった気がするんだが
しばらく経っているので、なかなか内容が思い出せない。
これはなぜか?
もちろん僕の記憶力の減退はあるとしても
ハードボイルドという分野の小説が
文体は簡潔なのに
ストーリーがチマチマと細かいからである。
もっと言うと、思いつきで動いている主人公が
いろいろと事件の真相を暴いていく。
その構造が全体像を記憶しにくくしていると思う。
この本の主人公は元刑事。
妻と離婚して、慰謝料を請求されている。
そのために売る家に
3人の居候と住んでいる。
この3人の居候を置いている経緯が
次第に説明されるが
どうも本質的に腑に落ちない。
設定としては面白いが
そこがこのストーリーが覚えられない第1点。
で、4人目の居候となりそうな少女が
殺人の疑いで捕まり
その真相究明に動きだす。
ここにヤクザもからみ
読んでいる最中はおもしろかったのだが
読み終えてしばらく経つと覚えていない。
最後のあたりの大円団を読み返しても
何となく腑に落ちない。
なんでだろうか。
いろいろな要素が多すぎる。
人情。
殺人。
ヤクザ。
裏切り。
ハードボイルドや刑事ものの要素を
パンパンに詰め込んだので
おもしろいが
読んでいるほうがまとまらない。
そんな感じ。
いつか、虹の向こうへ (角川文庫)いつか、虹の向こうへ (角川文庫)
(2008/05/24)
伊岡 瞬

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[ 2010/03/06 05:07 ] | TB(0) | CM(0)

夢見る黄金地球儀

2月17日分。
時価1億5000万円相当の地球儀強奪作戦の行方は?
って帯に書いてある。
手に汗握るサスペンスを期待するけど
ちょっと外してくる。
冗談みたいな科学技術や道具がたくさん出てくる。
そうなんだよね。
この人の本ってどこか冗談まじり。
笑いのツボがちょっと変わってる。
軽さ、非人間的。
今の感覚だろうね、こういうのが。
ヒューマニズムからの逃走。
そこに新たなヒューマニズムが見えてくるのか。
というような重い感じではなく
軽いノリのクライムノベルでした。
黄金でできた地球儀をある方法で盗み出すと
実はその地球儀はもう中身ががらんどうだった。
というひっくり返しはあります。
そこがミステリーとしてのツボかな。
夢見る黄金地球儀 (創元推理文庫)夢見る黄金地球儀 (創元推理文庫)
(2009/10/30)
海堂 尊

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[ 2010/03/02 09:15 ] | TB(0) | CM(0)

地アタマを鍛える知的勉強法

2月16日分。
地アタマとはしなやかな思考力。
斎藤 孝氏は明大文学部教授。
これまでに実践してきた勉強法を
さまざまに紹介する。
後半は受験生向きだが
いくつかは一般人にも役に立つ。

●生きていくための3つの力
①まねる力
②段取り力
③コメント力(質問力を含む)

●「いま、何を考えてるの?」を常に自問自答

●シンプルであれ! 美しくあれ!

●フォームから入れ!

●頭を野獣化する

●古典は応用できる共通言語

●2週間ナリキリ漬け

●レファレンス勉強法

●本質的な問いを立てる

●文章の図化

●3カ月分を3日で実行

地アタマを鍛える知的勉強法 (講談社現代新書)地アタマを鍛える知的勉強法 (講談社現代新書)
(2009/12/16)
齋藤 孝

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[ 2010/03/01 09:14 ] | TB(0) | CM(0)
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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削除いたします。

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