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本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > アーカイブ - 2010年06月

慟哭

5月2日分。
貫井徳郎。
書店で平積みの本が並び、
気になっていた作家。
本書は本格推理にしてデビュー作。
名前といい、『慟哭』というタイトルといい
どこか年代物のワインのような熟成を感じさせる。
エリートキャリアの佐伯は幼児連続殺人事件を担当する。
そして、その話と交互に心に穴が空いた男の話が出てくる。
幼児殺人事件の進展のなさに耐える佐伯。
一方、男は心の穴を埋めようと
新興宗教への興味を高めていく。
そして。ついには佐伯の娘が誘拐された。
一方、男は愛娘の喪失を埋めようと
復活の儀式を行うべく、幼児誘拐に手を染めていく。
よくある追う側と追われる側を交互に描く本格推理。
だと思いきや、最後に大どんでん返しがやってくる。
その衝撃が本書を傑作にしている。

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[ 2010/06/30 09:43 ] | TB(0) | CM(0)

アメリカン・ラプソディ

5月1日分。
実話をもとにした映画。
共産圏のハンガリーの締めつけを逃れ
アメリカへ脱出した家族。
しかし、まだ赤ん坊の末娘は
残されたままだった。
田舎の里親の愛情を受けて育つ彼女。
6歳のときに赤十字の尽力で
アメリカの両親のもとへ。
しかし、彼女は2組の両親への想いに
悩み続けるのだった。
子どものころの子役が可愛い。
ティーン役はスカーレット・ヨハンソン。
母親はナスターシャ・キンスキー。
自らのアイデンティティに悩み、荒れるヨハンソン。
意を決して里親のいるブタペストを訪ねる。
そして、実の母親の愛情を知り
向き合う契機となる。
2組の親、2つの国。
その間で揺れる気持ち。
彼女の内面にもっとフォーカスして
気持ちの動きを見てみたいと思わせられた。
親として、子として。
自分だったらどうか?
親と子ども。
永遠のテーマだ。

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ようこそ☆おちこぼれカレッジ

4月30日分。
2006年アメリカ映画。
日本ではソフト化未。
ジャスティン・ロング主演。
大学を不合格になった主人公が
親への手前、友だちと共同して
使われていない病院を改装して
偽の大学を作り、
親をだますためにHPも作る。
このHPにワンクリックで合格!
としてしまったから大変。
落ちこぼれが大挙して現れ
次第に大学運営をせざるをえなくなる。
こうした過程を通じて
次第に盛り上がりを見せてくる。
そこにノッて観ていけた。
ハチャメチャ、でも
そのパワーこそが次代を作る。
そんな忘れかけていたことを
何となく思い起こした。
青春物は元気をもらえる。

サウンド・オブ・カラー ~地下鉄の恋~

4月29日分。
香港映画。
本館映画はどこかファンタジックな雰囲気が漂うものが多い。
現実に夢のエッセンスを散りばめたような
優しい、ちょっと切ない映画が多い。
この映画は原作が台湾で大ヒットした絵本だという。
地下鉄で出会った2組の男女が天使の粋なはからいで
結ばれるというファンタジー。
一組は盲目女性と怪しい結婚相談所の男。
もう一組はそれぞれに違う人に片思いする男女。
結婚相談所の軽い男性を演じるのがトニー・レオン。
彼は突然盲目になり、彼女との距離を縮め、恋人に。
しかし、ある事件が二人を疎遠にする。
もう一組は出会い、
地下鉄でカップルを自主的に調査するという
時間を過ごすが、やがて別れの時間が。
どちらも、クリスマスイブにクライマックスが訪れる。
目が見えないという個性、
片思いという切ない気持が、
見る人を登場人物に引き込んでいく。
可愛らしい女性陣も魅力いっぱいだ。
クリスマスにハッピーになるファンタジー。

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のぼうの城

4月28日分。
ちょっと話題になっていた本。
「石田三成二万の軍勢に、
たった二千で立ち向かった男が、いた。」
「太田光マイベスト本」
という帯コピーにやられた。
武州忍城で、でくのぼう、のぼうと呼ばれた
成田長親という城代が
武士や農民を一致団結させ
秀吉傘下の石田三成の城攻めに勝つお話。
帯でもそう書いてあるし、
早く城攻めの合戦シーンへ行ってほしいのだが
そこまでが長い。
これはいろいろ説明しなければならない
歴史小説ゆえのジレンマか。
しかし、三成の城攻めに対抗するシーンは
やはり秀逸で、そこら辺からは
一気読破となった。
水攻めでできた湖上の小舟で舞うのぼう。
映像となったら印象的に違いない
シーンが数々出てくる。
のぼうが冒頭からでくのぼうでありながら
終話近くになって違う一面を
出してくるところが小説の真骨頂ではある。
映画化が決定しているが
この辺の冗漫感を超えて
どう描かれるか楽しみである。


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和田 竜

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[ 2010/06/24 15:53 ] | TB(0) | CM(0)

デジャヴ

4月27日分。
デジャブ。
この邦題がちょっといけない。
既視感のある題名、
サイコスリラー的な印象を受ける。
実際は新手のタイムマシン的な
SF×デカムービー。
デンゼル・ワシントン演じる
広い意味で刑事的な主人公が
(刑事でも良かったのでは?)
フェリーテロリストの犯人に挑む。
冒頭フェリーへの乗船シーンが描かれ
そのフェリーが川の上で爆発する。
多分ニューヨークが描かれていると思う。
テロによる大量殺戮は
どうしても911を想起させる。
こんなシーンが必要なのだろうか?
そうした感想から入ってしまう。
ワシントン演じるATF捜査官が
その事件を捜査する。
そしてFBIに請われ
ある最新映像装置で事件の犯人に迫る。
数日前のすべての映像を再現できるこのシステムだが
実はタイムマシンだったと後で判明する。
モバイル装置をつけながら
圏外になりそうな犯人を車で追うシーンは
おもしろかった。
現在のニューヨークを車で走りながら
数日前の犯人を追う。
ここにはいない犯人を追って
高速道路を走るから
今走っている車とぶつかる。
でも、追わないと犯人は見えなくなる。
そして、過去に1枚のメモを送り込むが
それがきっかけでワシントンの同僚が死ぬ。
ついには被害者の女性とテロを止めるため
自ら事件当日にワープするワシントン。
そこで映像で見ていたシーンが繰り返され
題名のデジャブが生きてくる。
このままでは殺人やテロは止められない。
そして、最後はフェリー船上での
クライマックスとなる。
自動車とともに川底に沈んでいくワシントン。
しかし、事件を捜査するワシントンが
そこに現れるのだった。
この辺のパラドックスは
問題ありのような気もする。
新しい形のタイムマシン物だが
テロ×刑事もの×SF×アクション
と盛り込み過ぎて
こうして書いていても
映画の魅力が伝えずらい。
一回しか見ることができない。
もう一度戻れない。
という装置の制限が
何となくわかりずらい。
もっとわかりやすくしても
良かったのではと思う。
ワシントンのキャラクターも
いきなり優秀だが
人物としての陰影に欠けるきらいがある。
被害者の女性を助けるために過去にいった感じもあるし。
テロの犯人が単独犯というのも怖さが少ないし。
現代のSFとしての面白さはあるが
脚本をもう少しシンプルにした方がよかった。
あと世界観をもっと映像的にも明確にした方が良かった。
例えば、ブレードランナーのようにね。
ターゲットがポリス物ファンならもっとシンプルに。
SFファンなら世界観を。

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ワンダーボーイズ

4月26日分。
これは◎の傑作。
主人公は
マイケル・ダグラス演じる文学部の大学教授。
トビー・マグワイアー演じる虚言癖のある学生。
ロバート・ダウニーJr.演じる教授の親友でゲイの編集者。
どんよりした英国の冬。
大学での授業風景から物語は始まる。
マイケルはかつてベストセラーを書いたが
それ以降5年も新作をかけていない
いわゆる過去の人。
マイケルのいけてない感じがいい。
そして、既婚の女性学長と恋している。
トビーは大学のゼミでクラスメイトに批判される。
センシティブな感じはトビーの真骨頂。
この街に都会から編集者のロバートが現れる。
学長の家で行われたパーティー。
そこでマイケルとトビーは寝室に忍び込み
学長の旦那の文学部長のお宝である
マリリン・モンローのコートを見る。
マイケルを嫌っている学部長の愛犬がマイケルを襲う。
それを撃ち殺してしまうトビー。
マイケルとトビー、そしてむちゃくちゃな都会生活者ロバート。
3人のはちゃめちゃな一夜が始まる。
エピソードがいい。
温室にいる女性学長を遠くから眺めるマイケル。
死んだ犬を持って逃走するマイケルとトビー。
マイケルの家でパーティー三昧のロバート。
マイケルに思いを寄せる女子学生の
ケイテイ・ホルムスも魅力的だ。
女性学長とマイケルの関係も胸に来る。
そして、マイケルとトビーは夜通し駆け回り
さらに後半にはマイケルとロバートが駆け回る。
新作を書いていないと思われたマイケルだが
実は書いていた。
しかも数千枚に及ぶ長編。しかもしかもまだ終わっていない。
この小説の原稿を持って川辺で事件が起き
ロバートの運転する車に乗った
この原稿が風に飛ぶところは見どころだ。
殺された学長の犬。
マリリンのコート。
風に舞う大量の原稿。
いつもうまくいかない感じのマイケル。
病的なトビー。
仕事で成功から遠ざかっているロバート。
マイケルを愛する学長。
温室。
小さな、しかし、ウィットと諧謔にあふれたシーンが心に残り
ワンダーボーイズたちに感情移入されていく。
最後にはトビーの小説をロバートが出版されると発表される。
マイケルは学長にしっかりと愛を告げ、
マイケルはすべてを失うが、学長との暮らしを得る。
トビーの小説で巻き返しを図るロバート。
これは挫折を味わったすべての人たちに送りたい
再生の物語だ。



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告白

4月25日分。
2009年本屋大賞第1位。
ミステリー。
昨年さんざん本屋の店頭で見た1冊。
本書は全部で6章。
そのすべてが誰かの一人称で書かれている。
そして章を追うごとに語り手が変わっていく。
当然視点も変わっていく。
事件はある女性教師の娘がプールで水死した事件。
これは事故ではなく、事件だった。
犯人はこの先生のクラスにいる。
といって犯人探しのミステリーではないところが秀逸。
一人称で語り継がれる
それぞれの心の闇。
この原作を映画化した監督が
「一人称でしゃべりっぱなし。
誰ともコミュニケーションしていない怖さを感じた」
と語っている。
ミステリーとは突きつめるところ、怖さ。
殺人が怖いのか、人の心の闇が怖いのか
他人とコミュニケーションできない現代が
一番怖いのかもしれない。
そして、物語は親子という縦糸を
描きつつ、最後に強烈なしっぺ返しを用意する。
これは教師か?
まさしく現代のディスコミュニケーションに切り込む
教師なのかもしれない。
教師もストレスをため込んでいることが
うかがいしれる現代。
みんなドカーンッと爆発しちゃう可能性がある。

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[ 2010/06/22 17:44 ] | TB(0) | CM(0)

GO ! GO ! ガジェット

4月24日分。
アメリカのTVアニメの実写版。
ディスニー映画なので
ハードなシーンはなく
コメディとパロディ満載。
楽しんで、それで終了。
残らない感がいい。
一応ストーリーを。
警官に憧れる警備員が
悪を追いかけて重症に。
そこで全身にがジェットを埋め込んだ
サイボーグに。
様々なアイテムが全身に装備されているが
「GO! GO! ガジェット!」と叫んで
その道具の名前を呼ばないと出てこないのが
笑いのツボ。
悪役の瓜二つのガジェットも出てくる。
ガジェットが恋する博士が
そんなに美人じゃないのはなぜ?(笑)

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マインドハンター

4月23日分。
FBI分析官候補者の訓練生の男女が
孤島に連れてこられる。
この島で行われる分析官への試験。
ところがそれは殺人ゲームの幕開けだった。
ホラー系サスペンスの色濃い映画。
分析官への登用テストだったはずが
突然死者が出る。
しかし、ホラーに慣れていない僕は
どうも実は死んでいないのでは?
と殺人ゲームの幕開けを受け入れられない。
殺人者は次の殺人時間を予告する。
一人ずつ減っていく。
中に殺人者がいる…。
クリスティの「そして、誰もいなくなった」
を彷彿とさせるストーリー。
B級サスペンスの匂い。
操り人形を模した死体は
中々に怖い。
冒頭の殺人鬼への侵入シーンが
引き込まれる。
孤島へ行ってからは
様々なアイデアに飽きずに見られるが
怖さが次第に弱まっていく感じは否めない。
誰かの視点で描き続けたら
もっと恐怖感が増したかもしれない。

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コーマ

4月22日分。
コーマとは昏睡を意味する英語。
この映画は
病院の麻酔による死亡事故に
女医が疑問をもって
調べ始めるホスピタルサスペンス。
かなり昔の映画だが
改めて観ると、
海堂尊のチーム・バチスタの栄光は
ここから刺激を受けて書かれたのかな?
と思っちゃうほど、雰囲気似てました。
この映画でヒロインの女医をやってる
ジュヌビエーブ・ビジョルドという
絶対に覚えられない名前の女優さんが
ハリウッドタイプのグラマーではなく
キュートな感じで魅力的でした。
彼氏役にマイケル・ダグラス。
主人公を救うヒーローって感じ。
全体的にヒロインが単独で
事件を探っていき
ちょっと怖い感じは
ヒッチコックのサスペンス的。
昏睡状態のたくさんの人間たちが
裸で吊るされて
栄養を与えられているシーンは
SF的なショッキングさもある。
他の映画にも影響を与えていそう。
監督・脚本は
何とジュラシック・パークなどの
ベストセラー作家
マイケル・クライトンです。

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GOAL!2

4月21日分。
サンディアゴ主人公のサッカー映画第2弾!
ニューカッスルで驚異の新人として
注目されたサンディアゴに
あのレアルマドリードからオファーが!
きらびやかなスター人生を歩み始めるサンディアゴ。
パーティー、群がる女性、豪邸、スーパーカー
きらびやかな生活とともにゴシップが待ち受けていた。
看護婦の彼女との行き違い。
彼を見い出してくれた代理人との別離。
こういうストーリーになるのは必然だが
第1弾の素朴なサクセスストーリーに
共感した僕的には
ちょっとそっち行かないでって感じ。
で、第3弾に続くでエンディング。

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GOAL!

4月20日分。
サンティアゴというメキシコの少年が
プロサッカー選手になっていく様を描く
成長ストーリー。
サンティアゴの一家はメキシコから
アメリカへ不法入国。
サンティアゴはいろいろな仕事をしながら
休みはサッカーに興じていた。
その姿を見た元プロ選手が誘い
サンティアゴは地球を半周周り
イギリスのプレミアリーグ
ニューカッスルのテストを受けるのだった。
貧しい青年がサッカーで
ビッグドリームへの階段を上がっていく。
テストで失敗しながらも
何とかテスト生として受け入れられ
次第に評価を高めていく様が
素晴らしいテンポで描かれていく。
看護婦の彼女との出会い
いいかげんなスター選手との出会い
その私生活など見ていて飽きない
エピソード作りのうまさ。
そして何よりもサンティアゴに感情移入し
成功しろ!と応援している自分がいた。
共感と喜びが広がる
スポコンサッカームービーだ。

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ザ・キーパー 【監禁】

4月19日分。
監禁物。そして、デニス・ホッパーとくれば
エッチシーン満載かと思いきや
まったくありません。
あえてなくしたようです。
で、保安官のデニス・ホッパーが
ストリッパーを自宅の地下の<牢屋に
閉じ込めて改心させようという物語。
つまんない!
×××映画。
もっとデニス・ホッパー活かせよな。

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ダヴィンチ・コード

4月18日分。
話題になったダヴィンチ・コード。
ルーブル美術館で殺された館長。
その孫娘とトム・ハンクス演じる学者が
暗号を解きながら、謎に迫ってゆく。
そこにはキリストのある秘密が…。
こうした映画はキリスト教国では
かなりインパクトがあるんでしょうが
正直日本人には怖さや
スリリングな歴史の秘密が実感できない。
ラストの落ちももうそれしかないって
早い段階でわかっちゃう。
大作としてみるとちょっと期待外れ。
出てくる事物が善人から悪人へ。
いろいろ変貌するのも
そうなの?って感じでした。
ただ牧師さんが殺人するってかなり背徳的。
そこは心理的に怖かった。
もちろんキリスト教の歴史には
十字軍辺りも含めて
異教徒との戦いはかなりあったってのは
歴史的事実ですが……。

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ゲーム

4月17日分。
マイケル・ダグラス演じる資産家が
弟からプレゼントされたCRMという会社への誘い。
実はそれは壮大なゲームへの招待状だった。
虚実が入り乱れた展開は
『セブン』で有名なデビッド・フィンチャー監督のもの。
最初から最後まで次々と主人公に危機が迫る。
最後の落ちはまさに落ち。
ハッピーエンドとなっている。
しかし、本当に?
そう思える怖さがある作品。
例えば、主人公が味方だとちょっと感じた
女性が実は敵側?
弟が陥れた?
墓場で目覚める。
海に車ごと突き落とされる。
日常にあったら怖いと思える
エピソードが徐々に徐々に
見る者の恐怖感をかきたてていく。

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刑事・鳴沢了

4月16日分。
フジテレビの特番。
坂口憲二がひたすらに
刑事を全うしようとする
男となる。
物語は堂場瞬一のハードボイルドミステリー。
ストイックなまでの刑事バカには
影があるのだが
そこまでテレビドラマで描くのは無理か。
事件は最後に直属の上司が真犯人という
ありがちな設定ではあるが
画面でひたすら走り続け
汗と血にまみれる坂口の姿に
次第に共感を覚えてくる。
ひたすらさを映像で描いていくことに
このドラマの主題はあった。
復帰作となる矢田亜希子にも
もう少し見せ場があっても良かったのでは。
クールな役柄はあっている。

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ジョーカーゲーム

4月15日分。
09年日本推理作家協会賞
09年吉川栄治文学新人賞
W受賞。
話題になった柳広司のミステリーである。
舞台は昭和12年。第二次世界大戦直前の日本。
軍国主義化し、海外侵略を進め
好景気を迎えている日本。
そこにD機関と呼ばれるスパイ機関が設立された。
率いるのは結城中佐。
新卒の学生たちを中心に集められた精鋭たちが
スパイとして世界を舞台に動きまわる。
そのエピソード短篇連作である。
何より舞台を日本のこの時期に置いたことで
リアリティをもって
日本のスパイを描くことができた。
この設定の妙。
作者の描くスパイは007と違い
人を殺したり、自殺したりするのを
スパイの失敗と見なす。
息をひそめて、場合によっては何十年
何代にもわたって情報を収集する
という諜報者の側面を描き出す。
必然的に描かれてくるのは
心理戦、騙し騙される駆け引きの妙。
その辺の案の練り方は秀逸。
丹念に仕込まれた伏線。
それが物語終盤で見事に答えとなる。
と思うと、またどんでん返し。
それがスパイの世界。
例えば、『幽霊』という作品では
英国総領事の家に
チェス相手として入り込んだ蒲生が主人公。
グラハム総領事にはスパイの疑いがかかっていた。
実際、グラハムの杖には情報が仕込まれていた。
しかし、その情報を仕込んだのは
グラハムではなかった。
誰が?
本当の謎がそこから始まる。
蒲生にヒントを与えたのは結城中佐。
誰が本当のスパイかは闇の中。
そして、蒲生はグラハムの女性関係の醜聞を知る。
グラハムは英国へ帰国することになる。
そのときに夫人に明かされたくない醜聞が
どう機能するのか?
裏には結城中佐?
といった具合に、後半の短篇では
結城中佐の深慮遠謀が多くなる。
そこが面白いのだが、
ちょっと細部に入り過ぎるきらいがある。
この物語が第二次世界大戦に突入したときに
どんな趣きを見せるか、
そこに人間ドラマへの期待がある。

ジョーカー・ゲームジョーカー・ゲーム
(2008/08/29)
柳 広司

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[ 2010/06/08 09:51 ] | TB(0) | CM(0)

塩の道

4月14日分。
宮本常一という
民衆の生活に根ざした視点で
研究を続けた民俗学者の本。
この本には
『塩の道』『日本人と食べ物』『暮らしの形と美』
という3本の著作が入っている。
なかでも表題の『塩の道』がおもしろかった。
塩は神に祭られた例がない。という導入。
米やほかの作物は神棚に祭られるが
塩はないという。
それだけ生活に近すぎた。
そして、塩を手にするために
道ができていったという話。
塩は日本では海の水から作られたため
山の集落では塩を得るための
いろいろな努力をしていた。
塩を作るには薪がいる。
木を切って川の河口まで流して
その代償に河口でできた塩を入手して
山へ帰っていく。
そのための道ができる。
なかなかに含蓄のある話が書かれている。
これらは民衆に分け入って
実際に聞いていったもの。
書物に残らない民衆の歴史が
ここにある。

塩の道 (講談社学術文庫 (677))塩の道 (講談社学術文庫 (677))
(1985/03/06)
宮本 常一

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妊娠カレンダー

4月13日分。
芥川賞受賞作。
表題作を含めて3作品が掲載されている。
『妊娠カレンダー』『ドミトリイ』
『夕暮れの給食室と雨のプール』
どれも時代から隔絶した場所が舞台となる。
時間が止まったような産婦人科医院。
古い学生寮。給食室。
そして、作者はそれぞれの場所で
ある種の事件に遭遇していく。
『妊娠カレンダー』は同居する姉の妊娠を
日記のようにつけていく妹の物語。
姉の夫と3人の同居。
姉は精神バランスをやや欠いている。
妊娠を通して、姉への愛憎が
うっすらと描かれている。
姉が通う産婦人科は
子どものころ
姉妹で裏庭に侵入した場所。
そのなかに入りたいと憧れていたのに
そこに姉が入っていく。
そのことへの嫉妬。
たんたんと描かれるなかで
妊娠という出来事がもたらす事件がおもしろい。
姉があらゆるにおいがダメになって
妹は庭に炊飯器や電磁調理器やコーヒーミルを持ち出し、
地面にござをひいて食べる。
映像が浮かぶ秀逸なシーンだ。
姉の妊娠という事件に影響されながら
生まれてくる命へのある種の驚愕が
そこには描かれている。
『ドミトリイ』は
主人公の主婦が
自分が学生時代に住んだ学生寮に
甥っ子を紹介するところから始まる。
旦那は海外赴任で一人暮らし。
主人公は次第に学生寮に通い詰めるようになる。
そして、サスペンスじみた展開を得て
物語は主人公の心に潜む
一瞬の狂気を暴いていく。
ドラマは心のなかにある。
『夕暮れの給食室と雨のプール』は
給食室への思いがテーマだ。
現代の近代的な工場のような給食室。
しかし、主人公が出会った男性は
以前大量の食糧を給食のおばさんが
作るシーンを見てしまい、
そのあまりの凄さに食べる気を失う。
ここにもかつてのドラマがある。
作者は心のなかに巣食う古い映像に潜む
心のトラウマを描き出す。
そこにはドラマは各自の心にあるという
真実が浮き彫りになってくる。
僕にも、あなたにも
心の中に潜むドラマとトラウマ。
それは映像に想起されてやってくる。

妊娠カレンダー (文春文庫)妊娠カレンダー (文春文庫)
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のだめカンタービレ 最終楽章 前編

4月12日分。
のだめカンタービレ。
テレビのときには見ていなかった。
映画版の最終楽章 全編。
舞台はパリ。
千秋はあるオケの常任指揮者に抜擢されるが
実はそこはダメダメなオケだった。
そこで、千秋とコンマスの不調和がありつつ
次第にオケが力を発揮していく。
ちなき中心にスポコン的に
努力→成功っていう流れを
クラシックの世界で表現した
こののだめカンタービレは共感できる。
後編は多分ラブストーリーでしょうが
そっちより、こっち。
クラシックの世界での切磋琢磨と
オケがまとまっていく様が
コミカルななかに描かれるストーリーが好きだ。

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スタンダード・エディション [DVD]のだめカンタービレ 最終楽章 前編 スタンダード・エディション [DVD]
(2010/06/04)
上野樹里

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プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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削除いたします。

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