FC2ブログ

本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > アーカイブ - 2013年04月

機龍警察 自爆条項 (上) (下)

劇的に深化した
サイバーポリスストーリー。


月村了衛の機龍警察は
2作目でいっそうの深まりを見せた。

〇ロボット型の甲冑を装着したヒロインは
 アイルランドの悲劇を身にまとっていた。

ガンダムと刑事ノベルが合体した趣きの機龍警察。
第2作目のヒロインは元テロリストのライザ・ラードナー。
アイルランドのジャンヌ・ダルクとも呼ぶべき彼女の
物語が動き始めるとき
この作品は一気に冒険小説の王道を歩み始めた。
なぜ彼女はテロリストになったのか。
アイルランドに渦巻く憎悪、怒り、倦怠。
そうした環境で育った彼女は
いつしかテロリストになっていく。
その過去の歩みが描かれていく。
アイルランドでの青春の日々。
そしてテロリスト集団への参加。
シリアの砂漠での過酷なトレーニングディ。
そして次第に明らかにされていく彼女のトラウマ。
そのトラウマゆえに彼女はこのテロリスト集団を
抜けることになる。裏切り者として。
そして日本にこのテロリスト集団の幹部たちが
一挙に来襲する。
ラスト付近の首都高でのバトルは秀逸だ。

〇現在、過去
 日本、アイルランドとシリアが
 交互に展開する
 つづれ織りの物語。

ロボットものと刑事もの、さらには冒険小説が
渾然一体となったこの物語は
豊かなつづれ織りだ。
近未来の日本と、アイルランド、シリアでの
ヒロインの過去の物語が交互に描かれる。
個人的には過去の冒険小説の色合い濃いストーリーが好きだが
すべてのエレメントは最後に東京で合体する。
この重厚感、緊密さ、そして抒情。
機龍警察は一気に新たなボルテージを迎えた。

〇ラストに若干の恨み。
 自作への伏線か。

物語はいくつもの読み方ができる。
警察内部の政治力学も面白い。
国際的なテロリストと日本警察の戦いは
ロボット型兵装を得て
ダイナミックで、心湧き躍るアクションへと
高まっていく。
さらに本作でヒロインとなるラードナーは
過去のトラウマを心に抱いており
その元凶とも言うべき男=テロリスト集団のトップ
との葛藤と戦いは、最後に東京で昇華される。
このラストのあっけなさには少し恨みが残る。
ここは次回の伏線と理解しよう。

新しいサイバー警察ストーリーは
この作品で確かな深化を遂げている。


機龍警察 自爆条項 (上) (ハヤカワ文庫JA)機龍警察 自爆条項 (上) (ハヤカワ文庫JA)
(2012/08/07)
月村 了衛

商品詳細を見る



機龍警察 自爆条項 (下) (ハヤカワ文庫JA)機龍警察 自爆条項 (下) (ハヤカワ文庫JA)
(2012/08/07)
月村 了衛

商品詳細を見る
スポンサーサイト
[ 2013/04/13 06:17 ] | TB(0) | CM(0)
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

リンク/画像について

リンク/画像に問題がある場合は
トラバかコメントで書き込みください。
削除いたします。

月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム