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本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > アーカイブ - 2013年09月

国道沿いのファミレス

どこか懐かしい。
なぜか愛おしい。
僕たちはここにいる。


『国道沿いのファミレス』というタイトルから
僕たちに既視感が広がっていく。
頭に浮かぶその光景は見飽きたようでいて
どこか懐かしい。なぜか愛おしい。
すべての世代の日本人が
これまでに全国津々浦々で見てきた映像だからだ。

そんな現日本の風景の中に
リアルな青春が広がる。

主人公は左遷という感じで
生まれ故郷のファミレスに転勤になった「僕」。
大手ファミレスチェーンの都内の店舗で働き
あと半年もすれば本社勤務のはずだった。
でも、ある噂が立ち、飛ばされる。

自分の生まれ故郷への出戻り。
若干の理不尽。
でも「僕」に悲壮感はない。
ある種の諦めが今の時代を感じさせる。

ちょいいい加減な主人公に
でもすっと共感していく。

「僕」やファミレスの社員、アルバイト
新しく彼女もでき、物語は動いていく。
そして、「僕」のいい加減さに秘められた
まっすぐさにどんどん引き込まれていく。

そして、登場人物たちの誰もが
問題を抱えている、もがいている。
まさに今の姿が
決して重くなく
でも軽くもなく描かれていく。

そして、事件が起きる。
それを契機に「僕」と
ファミレスの女性社員との関係が変わっていく。

日常的な世界からゆっくりと
次第に物語が深まり、加速していく様は
なかなかに卓越している。
そして、コツンと心に残る。

ひょうひょうとしていながら
悲しみとおかしみがある。

まさにこれは現代に生きる
僕たちのストーリーなのだ。

国道沿いのファミレス (集英社文庫)国道沿いのファミレス (集英社文庫)
(2013/05/17)
畑野 智美

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[ 2013/09/26 16:34 ] | TB(0) | CM(0)

希望論―2010年代の文化と社会

震災後の日本における
希望とは何か。


宇野氏と濱野氏は
若き評論家と学者。

日本のインターネットや
ポップカルチャーで得られた
知見を参考に
ポジティブな提案ができればと述べる。

Ⅰ震災から考える では
「原発」を内部的な力の暴走と言う。
では復興への希望をどうとらえるのか。
地域コミュニティの再生に
ソーシャルメディアを使った
ボトムアップ型の復興を
推奨しているように読める。
そこに異議を唱えながらも
結局、同意しているように読める。
そうではあるが。
それでは少し希薄なように感じる。
メディア論と新たなメディアから
生まれる新しい形の復興は理解できるし
そうした試みはさまざまに行われているし
行われていくのだと思う。
しかし、インターネットやソーシャルメディアと
現実との融合やリンク、拡張現実の部分を
もっと議論してほしかった。

Ⅱ「戦後以降」を考える では
「虚構の時代」の終わりから
「拡張現実の時代」へ。
70年代以降~高度成長の終わり以降~
を切っている。
そこで日本的なインターネットの
独自の発展の姿を取り上げて
インターネットやそこで広がる
ポップカルチャーに目を向けている。
ニコ動とかAKBとか
日本的想像力(創造力)をクローズアップする。
それはわかる。
しかし、経済的なデフレ状況が
これまでのこうした気分をつくってきて
これからインフレに向かうとき
そこがどう変わるのか。
70年代以降の「虚構の時代」は
終わりを告げ、大きな物語は語られず
右肩上がりは終焉した。
しかし、経済という下部構造が
こうした時代の空気をつくってきたとするなら
これから変わりゆく世界をどう見るのか。
そこを語ってほしかった。

Ⅲ「希望」を考える では
希望とは自己承認ととらえ
またインターネットが出てくる。
もちろん、日本的ガラパゴス的
ネット上でさまざまな承認が
されうる機会がある。
そして、仕事での承認ではなくていい
的な論調もあった。
しかし、しかし。
長い目で見ると
仕事はその人の人生に
大きな時間を強いる。
お金を生み出す。
もちろんネットからのビジネス展開も
大いにあるが、そこにはあまり触れていない。
文化論だけでなく、
経済論として、ネットを考えないと
全体的な論議にならないと感じる。

アベノミクスは本質的な潮流なのか
あだ花なのかはまだわからない。
しかし、こうした政治、経済の動きも踏まえて
これからの「希望」を語ってくれることを
希望したくなった一冊だった。

希望論―2010年代の文化と社会 (NHKブックス No.1171)希望論―2010年代の文化と社会 (NHKブックス No.1171)
(2012/01/28)
宇野 常寛、濱野 智史 他

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[ 2013/09/05 16:37 ] | TB(0) | CM(0)

ピーター・リンチの株で勝つ

株長期保有派のための
正統的ガイドブック。


株は長期で持てば
その恩恵に預かれる。

身近な気づきから
株を持つ会社を決めよ。

株価の上下に一喜一憂するな。

ファンダメンタルズを中心とした
長期株保有を目指す投資家のための
正論で正統派の一冊だ。

株を買うということは
もちろんお金を儲けるということが
第一義ではあるが
その会社を応援するという
側面は見逃してはならない。
応援したい会社かどうか
それを見極める視点を教えてくれる。

テンバガー(10倍上がる株)を見つけるには
まず株が次の6つのカテゴリーの
どこに属するかを調べるべきだという。
〇低成長株
〇優良株
〇急成長株
〇市況関連株
〇業績回復株
〇資産株

そして、その中で
以下の条件を満たす株を買うべきだという。
〇面白味のない、または馬鹿げている社名
〇変わり映えのしない業容
〇感心しない業種
〇分離独立した会社
〇機関投資家が保有せず、アナリストがフォローしない会社
〇悪い噂の出ている会社
〇気の滅入る会社
〇無成長産業であること
〇ニッチ産業であること
〇買い続けなければならない商品
〇テクノロジーを使う側であること
〇インサイダーたちが買う株
〇自社株買い戻し

こうして会社を選んだら
その会社を調べる。
事実を知る。

そして、ストーリーを描く。
なぜその会社の株を持つのか
それが明快であることが重要だ。

もちろん
PER
機関投資家の持ち株比率
インサイダーが買っているか
今までの最高利益と、その理由、安定性
財務の健全性
流動資産比率
はチェックしたい。

こうして持ったなら
一喜一憂せずに
ストーリーが変わらない限り
持ち続ける。

デイトレードとまるで反対の
正統的な株式投資の本だ。
アマチュアリズムで
勝負しようとするところが
好感を持てる。

ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜けピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け
(2001/03)
ピーター リンチ、ジョン ロスチャイルド 他

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[ 2013/09/04 16:22 ] | TB(0) | CM(0)
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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