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ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > アーカイブ - 2016年02月

ルネサンスとは何であったのか

一千年のキリスト教の抑圧へ
人間の欲望が反逆する。
それがルネサンス。


再読。

塩野七生を読むと
知的好奇心に駆られる。
中世から近世のヨーロッパについて
学びたい意欲が沸々とこみ上げる。

ルネサンスなんて高校時代は
たいして興味もなかった。
過去は過去。
温故知新?
はあっ?
って感じ。

でもね。
歴史に学ぶ。
歴史を学ぶって
とっても大切。
そう思うのはジジイだからか。
断定。そう。

で、塩野七生である。
珍しく、解説書。
ルネサンスを語る。
もちろん、口調はいつもの塩野節。
この人、絶対Sだよな。
でも、嫌いじゃない。

語られるのはルネサンスの人、人、人。
人なんだよな。
結局、歴史って。
だから、突き放したように見えても
塩野の本質は暖かい。
人の熱に感応するから。

『ルネサンスとは何であったのか』は
イタリアでのルネサンスの歩みをたどるように
フィレンツェ、ローマ、
キアンティ地方、ヴェネチアと
イタリア各地を巡る形で描かれていく。
この辺、映像で見たいね。
NHK辺りでやって欲しい。

最初にルネサンスとは
「見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発」
と定義づける。
なぜ爆発したのか?
キリスト教会によって
一千年間も押さえつけられていたから。

そして、ルネサンスについて
フレンツェの地で
聖フランチェスコから始める。
続いてフリードリッヒ二世という皇帝までも。
さらに印刷業を確立した
アルド・マヌッツィオが登場する。
この辺は塩野ならではの視点である。

メディチ家が重要なのは言うまでもない。
そして、やはりレオナルドだ。
ミケランジェロだ。

各地を旅しながら
ルネサンスが
各都市で
どんな栄枯盛衰をたどったかを
人物を中心に語っていく。

この辺は目の前に
その時代の人がいるように
いきいきとしている。

塩野の洞察は一刀両断だ。
以下、記憶に残った言葉をいくつか。

「哲学とはギリシア哲学につきる。
それ以降は、キリスト教と哲学の一体化という
所詮は無為に終わるしかない
労力のくり返し」

「ローマは『arioso』(アリオーゾ)。
こせこせしない」

「ルネサンス精神とは、
人間がこの心眼を、
再びわがものにしたということ」

内容は豊富にして
とても語りきれない。
それが塩野の
ルネサンスの豊かさ。

以下、人物の画像で
その片鱗でもたどりたい。

アッシジの聖フランチェスコ
フランチェスコ

フリードリッヒ二世
フリードリッヒ2世

コシモ・デ・メディチ
コシモ

ロレンツォ・デ・メディチ
ロレンツォ

マキアヴェッリ
マキアベリ

レオナルド・ダ・ヴィンチ
レオナルド

ミケランジェロ
ミケランジェロ

ルネサンスとは何であったのか
ルネサンスとは何であったのか (新潮文庫)



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[ 2016/02/29 17:52 ] | TB(0) | CM(0)

舟を編む

コツコツと、しかし、情熱的に。
辞書作りストーリーに惹かれていく。


辞書作りという一見地味に見える仕事が
途方もなく、おもしろく
冒険に満ちていた。

辞書好き編集者・松田龍平の
地味だが、一途な雰囲気がいい。

配属された辞書の編集部。
監修の大学の先生や
上司との関わりもいい。

自宅である古下宿も魅力的。
そこで出会うのが、料理人の宮﨑あおい。
いつしか惹かれあっていく二人。
料理人の宮﨑あおいとのこの恋愛もいい。

時代を追うのではなく
自分の好きなものを大切にする。
その気概をもって生きる素晴らしさを感じた。

舟を編む
舟を編む 通常版 [Blu-ray]

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

自分のやりたいことを
やりたいようにやる。
だから大変。
だから楽しい。


シェフ映画が大好き!
この映画も楽しかった。
オーナーと喧嘩して辞めたシェフが
フードトラックを始める話。
とにかくテンポがいい。
音楽もいい。
料理シーンもノリノリ。
お話はシンプルだが
監督自身の体験も投影されている。

この主演・監督のジョン・ファヴローが
アイアンマンで成功後
ビッグバジェットの仕事は
いろいろ規制が多くて
撮りたいように撮れない。
なら、低予算で
自分の好きなように撮るぜ!
と撮った映画だそう。
言ってみれば
三ツ星監督が
低バジェット監督になったお話し。

故郷のマイアミでフードトラックを仕入れ
ロスへ向かうロードムービーの要素も入っている。

自分の好きなことを
好きなようにやる。
そこに道は拓ける。
いいね。

息子との交歓もほっこりする。
おいしいものを食べたくなる。
旅に出たくなる。
人生をもっと楽しみたくなるムービー。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました
シェフ 三ツ星フードトラック始めました [SPE BEST] [Blu-ray]

坊っちゃん(フジテレビ2016年新春スペシャルドラマ)

まっすぐであること。
嘘をつかないこと。
改めてシンプルに心に響いた。


二宮和也の主演スペシャルドラマが続いた年末年始。
二宮和也を役者として好きだが
最近はまり役がないように思える。

このドラマは言わずと知れた
夏目漱石の坊っちゃん。
一本気な江戸っ子の坊っちゃんが
四国・松山の高等学校に赴任した様子が描かれる。
ドラマでは原作よりシンプルになっていて
とにかく嘘が嫌いだという主人公を
二宮が演じる。
一本気と二宮の線の細さの違和感があったが
ドラマとしては楽しめた。

自分の気持ちに正直に
嘘をつかないこと。
齢を重ねて
世間と折り合いをつける日々を考えると
このことが改めて重い。

赤めだか(2015年TBS年末スペシャルドラマ)

立川談志に弟子入りした
男たちの喜怒哀楽ストーリー。


立川談志をビートたけし。
弟子の立川談春を二宮和也が演じた
落語青春ストーリー。
二宮君が主役かと思ったが
弟子たちの群像劇でもある。
ラストで4人の弟子が
二つ目昇進テストを受ける辺りが
クライマックス。
借金を抱えた兄弟子に
ユーモアを交えながら
みんながご祝儀袋を渡すシーンが
ちょっと泣けた。
兄弟弟子なんだな。

敵役の評論家役リリー・フランキーがいい。
ビートたけしは談志というより
やっぱりビートたけしだ。
二宮君が主役なのに
あんまり立っていなかった気がするのは
僕だけかな?
少し残念。

ゼロからトースターを作ってみた結果

ゼロからがキーワード。
トースターを作ることは
現代では冒険なのだ。


インディー・ジョーンズ張りの冒険が始まる。
ゼロからトースターを作るという冒険が。

軽口の文体と
ゼロから一人でトースターを作るという
プロジェクト?に引き込まれた。

個人的な興味かもしれないが、
シンプルで荒唐無稽でプロジェクト?や
冒険に心動かされる。
小学生のとき、
家の近くを流れる川の源流を見つけようと思い立った。
だって、簡単でしょう。
その川を上流に向かって歩いていけばいいのだから。
この小冒険に僕は湧き立った。
ある晴れた日の午後、僕は決意して旅立った。
電車で2駅ほど歩いたとき、
日は傾いて、あたりが夕焼けになる頃、
この冒険が無謀なことに気づいた。
まだ川幅は広く源流にはほど遠いことを知ったからだ。
この小冒険の成果は
おたまじゃくしがたくさん泳ぐ田んぼを発見したことだ。

あるいは大学時代、いつもは車で向かうバイト先に
自転車で向かおうと思い立ち、
自転車を途中で乗り捨てたこともあった。

このゼロからトースター冒険もそんな僕の心をとらえた。

著者で冒険の主はトーマス・トウェイツ。
親しみをこめて、トーマスと呼ぼう。
トーマスはアートスクールの学生。
彼は卒論のテーマにトースターをゼロから作ることを選んだ。
まずは市販の安いトースターを解体することから始めた。
リバースエンジニアリングというやつだ。
まあ、物を分解することは
子どものころにやったね。

分解して、素材を分類する。
これが難しい。
磁気を帯びているものとそうでないもの、
電子回路もわからない。
で、何とか分けて、
鉄・マイカ(断熱材)・プラスチック・銅・ニッケルだ。

助言を求めて、訪ねたシリアーズ教授とのやりとりがおもしろい。
トーマスがすごく本音で話し、
教授が難しさを説く。
その噛み合わない感じ。

なぜトースターなのか。
トースターは消費文化の象徴だと思え、
さらに『銀河ヒッチハイク・ガイド』の一節も紹介している。
「自分の力でトースターを作ることはできなかった。
せいぜいサンドイッチぐらいしか彼には作ることができなかったのだ」

さあ、トースターを素材から作る冒険の始まりだ。
こんな言葉もいいぞ。

「一からアップルパイを作ろうとしたら、
まずは宇宙を創造しなくてはならない」(カール・セーガン博士)

そして、それぞれの素材を
原料から求める冒険が始まる。
鉱山へ、採掘場へ。
ときには入手できないものは
コインを溶かしてという荒業も(笑)
そして、できたトースターは
およそトースターと思えない出来栄え。
ラストに観衆の前で
このトースターに通電するというクライマックス。
たかがトースター。
しかし、されどトースター。
現代社会に生きる僕たちは
トースターひとつうまく作れない。
そのことに愕然とする。
しかし、1日バイトすれば
トースターは確実に買える。
これはどういうことだろう。
覆われているものを拭い去れば
僕たちの社会はこうしたことだ。

ゼロからトースターを作ってみた結果
ゼロからトースターを作ってみた結果 (新潮文庫)

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道

ジョニー・キャッシュに思い入れがないと
共感できない伝記映画。


およそ50年前のアメリカ・カリフォルニア州。
刑務所から始まるストーリー。
キャッシュという男の少年時代にもどる。
綿摘みをする家族。土曜日の釣り。
木工の仕事で死んだ兄。
父の叱責でこのことがトラウマになる。
キャッシュのそばにはいつも音楽があった。
時は経ち、戦地に赴くキャッシュ。
彼はギターを買う。
その後、結婚。
家庭を持ち、訪問販売のセールスマンになるが、
音楽への思いが捨てきれないキャッシュ。
家族を連れ、メンフィスへ。
しかし、バンドを持つがうまくいかない。
オーディション。ゴスペルがダメで歌った自分の歌がレコードになった。

成功し、ツアー続きの毎日。
妻との距離ができていく。
ともにツアーを行う歌姫に惹かれていく。
彼女への思いが詰まった曲がウォーク・ザ・ラインだ。
君への道をまっすぐ歩く。

ジョニー・キャッシュという
アメリカ・カントリーミュージック・アイコンである
アーティストの伝記映画。
彼に思い入れがないと、
不倫、覚醒剤中毒に陥るダメ男のお話にしか思えず、
共感したいができない。

後半はトーンが変わる。
覚醒剤で捕まり、干されるキャッシュ。
そして、家を出ていく妻と子。

最悪の時期から徐々に立ち直り
歌姫と距離が縮まっていく。
後半は覚醒剤との闘いが描かれる。
死んだ兄への罪悪感から覚醒剤にはまった。
そんな印象で表現されるが、
それだけなのだろうか?
美化が見える。

刑務所からのたくさんの手紙を受け取って、
復活の道を模索するキャッシュ。
刑務所への慰問も含めたツアーが始まる。
同行する歌姫。
ステージでの40回目のプロポーズ。
そして、結婚。
ハッピーエンドなのだろうが
やはり共感できない。

アーティストと覚醒剤。
どこかで聞いた不幸。
キャッシュというアーティストが好きなら
もっと楽しめただろう。

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道
ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 [DVD]

天地明察(上)(下)

しなやかさは力。


江戸時代、当時使われていた宣明暦は正確さを失い、ずれ始めていた。
そこで日本初めての暦の創造の命を受けたのが
城内碁打ちでありながら、数学に生きがいを見出していた渋川春海だった。

この春海のキャラクターがいい。
二刀を拝領しているが、武士ではなく
気弱で優しい、やわらかい。
碁打ちに本領を見いだせず、数学の問題と出合うと
地べたに座り込み、解き始める。
こんな柔和な人物がさまざまな出来事を通して
遂には日本独自の暦を生み出し、亡くなるまでを描いている。

全国を先輩2人と回り
北極出地という星の測量を行うのが
上巻のトピックスである。
そこで出会った先輩のうち一人は
役目の途中で体調を壊し帰宅し
戻らぬ人となる。
その辺りの情感は胸に迫る。
もう一人の先輩も春海もやさしい。
そのやさしさが痛い。

碁打ちとしての周囲との話題も興味深い。
特に才能あふれる後輩から執拗に勝負碁を迫られるのはおもしろい。

下巻になると俄然改暦へと話は進む。
そして、紆余曲折ありながら
遂には和暦を生み出すのである。

サブストーリーである
えんという女性との恋物語にもときめく。
ともに別の伴侶を得るが
ともに死別し、再び出会い
遂には引っ込み思案の春海も結婚を申し出る。

なぜに気弱で豪胆でもない春海が
改暦という途方もない事業を達成できたのか。
ふと思い当たった。
気弱だから、優しいからこそだと。

しなやかさは力。
改暦には数学的能力だけでなく
政治的な手腕も必要になる。
幕府、皇族、宗教勢力などのパワーバランスを知り
徹底した対策が必要になる。
そうしたすべてをやわらかに受け止め
柔軟に、しかし徹底して行うには
春海のしなやかな人となりが不可欠だったのではないか。
読了して、本を閉じたとき
心の中に春海のそんな姿が浮かんできた。

天地明察上

天地明察 上<天地明察> (角川文庫)

天地明察下

天地明察 下<天地明察> (角川文庫)

[ 2016/02/05 10:31 ] | TB(0) | CM(0)

スター・ウォーズ エピソードV/帝国の逆襲

英雄は試練を迎える。
ヨーダとの修行シーンが印象的。


デススターを破壊したのもつかの間。
反乱軍は追い詰められていた。
氷の星での戦い。
反乱軍は敗走し、ルークは修行へ。
ヨーダとの出会いが印象的だった。
そして、レイア姫とハン・ソロは恋に落ちるが
帝国軍に捕らえられる。
ハンソロは氷漬けに。
助けに向かうルーク。
ルークとダースベイダーの謎が明らかに。
初見では衝撃だった親子の戦い。
ルークの落とされた腕には象徴的な意味がありそう。

こうしてスター・ウォーズ初期3部作は
転を迎え、さまざまな変化が起きる。

冒頭、氷の惑星での戦闘シーンは
CGやVFXの進化を感じさせる。

ただ、今作の肝はフォースについて
少し垣間見えた点だろう。
若者であるルークに怒りと怖れの怖さを解く。
それが暗黒面に誘う。
清原事件を思った。
寂しさへの怖れが暗黒面へと誘った。

若者だけではないかもしれない。
怒りと怖れの怖さ。
今、改めて思う。

さて、スター・ウォーズ初期三部作は
この転から次作で大円団を迎える。

スター・ウォーズ エピソードV/帝国の逆襲
スター・ウォーズ エピソードV/帝国の逆襲 スチールブック仕様 [Blu-ray]



TED2

TEDは自分自身。
社会に認められるかどうかが大切。


個人的解釈として
TEDは自我のシンボルだと思った前作。
2ではTEDの人権が認められるかどうかを
裁判で争うハチャメチャコメディ。
TEDは結婚してるしね。

これはもう一人の自分。
もしくはやっぱり拡張された自我。
自分が社会に認められるかどうかの闘い。

相変わらず下ネタ満載で
ドタバタも過ぎて
やっぱり好きになれない。

TED2
テッド2 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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削除いたします。

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