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本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > アーカイブ - 2016年04月

ヒミズ

園子温監督の震災への鎮魂歌。
暴力的な、暴力的な愛。
最後は希望が描かれる。


冒頭、震災の瓦礫の中を歩く
登場人物たち。
それは心象表現でもあり
鎮魂でもあり、
復活への意志でもある。

川沿いのボート屋。
そこで暮らす高校生に染谷将太。
彼を気にする同級生に二階堂ふみ。
そこは底だ。
震災被害者もそばに暮らし
出ていった父は突如戻り暴力をふるい
借金をしていたため、借金取りも脅しに来る。
母は出ていく。
一人きりの染谷。
彼を助けようと二階堂もお節介なまでに関わる。
いっしょに住む震災被害者も助けようとする。
底だからこそ、園の暴力的世界が蔓延し
事件は起きる。
死に場所を探して、放浪する染谷。
そして、最後にはかすかな希望を見せて物語は幕切れる。
続いていくんだ、という終わり方。
園子温は彼のスタイルで
鎮魂と希望を描いた。

余談であるが。
二階堂は本当の気持ちを込めた台詞を語るとき
あえて棒読みとなる。
感情をこめないように努めている、ように思える。
そのことで、甘く見える二階堂を拒否している。
二階堂の演じる恋愛は
だからか、いつも孤立している。
他を拒否する存在感。
求める気持ちを隠そうとするメンタリティ。

ヒミズ
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民王スペシャル~新たなる陰謀~(テレビ東京2016年4月15日)

1時間じゃあね。
続編を期待。


強面オヤジの総理に遠藤憲一。
その心優しい息子に菅田将暉。
この二人の中身が
入れ替わることから起こる
ドタバタ喜劇。
去年放送されてかなり面白かった。
今回はそのスペシャル版。
でも、1時間で物語を収めるのはちょっと辛かった。
ハチャメチャのおもしろさが出てこなかった。
次回は続編に期待です。

しろいろの街の、その骨の体温の

久々に読み続けたくなった本。
中学生である主人公の少女に惹かれた。


小学生の谷沢結佳は目立たない地味な娘。
クラス内の女子の微妙な関係をやり過ごし、
自分だけが孤高であると思い、バランスを保つ。
ニュータウンの白さに閉塞感を感じる。
そして、習字教室で出会った同級生の伊吹を
「おもちゃ」にしたいと願い、行動する。
序章としての小学校時代。
舞台は変わり、中学生へと移る。
クラス内の格差の中にあって、
結佳は伊吹への思いを高めていく。

この小説をスクールカーストとかいう言葉で
分類してほしくない。
レッテルを張り、分類する。
それでわかった気になる。
そんなことではない何かがこの本にはある。

閉塞感。
いつの時代も10代は閉塞感の中にいるが
その閉塞感が今はもっと切実な状況にあると思う。
その中でもがく結佳という主人公に魅力を感じた。
決して人気者ではない。
容姿も優れていない(と自分で思っている)、
そんな結佳の少しSで、実は他を見下す内面は
それでバランスを保っているのだと思う。
伊吹との関係を心の中で応援しながら読んだ。
結佳から積極的な行動をとるのが新鮮だった。
今という状況の中で生きる少女のリアルが
読む者を、そして伊吹を突き動かしていく。

しろいろの街の、その骨の体温の
しろいろの街の、その骨の体温の
[ 2016/04/19 09:19 ] | TB(0) | CM(0)

リアリティー

次第に壊れていく男。
主人公のアニエッロ・アレーナが印象的。


イタリアの風景の中に
壊れていく男を描く。

主演のアニエッロ・アレーナの
横顔が印象に残った。

魚屋のルチャーノは
「リアリティー」という視聴者参加番組で
スターになったエンツォに憧れていた。
オーディションを受けて、いい感触を得たルチャーノは
番組から誘いが来ると持ち望む。

願望が次第に強迫観念となり、
ルチャーノは壊れていく。

過度な夢や希望が人を壊していく様を
イタリアの一井の街角で描く。
賑やかで、フレンドリーな庶民たちの街角での生活。
その街角で人気者だったルチャーノだが、
徐々にその暮らしがおかしくなっていく。

主人公の横顔がよく出てくる。
その顔が印象的だった。

リアリティー
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火のようにさみしい姉がいて

シェークスピアと妄想と
いつか来る危機と。


かつてのアングラ芝居の旗手の一人である
清水邦夫の1978年の劇作を
かつての盟友である蜷川幸雄が演出。

大竹しのぶ×宮沢りえ×段田安則が魅せる舞台。
舞台俳優の段田とその妻で女優だった宮沢。
二人は段田の病を治療するため
段田の田舎に帰る。
そこにいたのが理容室の大竹だった。

妄想と現実がないまぜになって
リアルなのか、リアルでないのか
わからなくなっていく刹那
観客はフット浮遊する。
ここでないどこかへ。
それが往時の芝居の魅力。
3人の掛け合いは
行く果てもなく続く。
そして……。


タイムシャッフル

24時間後の未来が見える。
未来に縛られていくのが新鮮。


うだつの上がらない
2人のカップルと1人の男性が
集合住宅の管理人として管理人室に
3人で暮らしている。
ある日、自分たちの
24時間後の未来を撮るカメラを発見したことから
物語が動いていく。
どうなるか先が気になって
見通してしまった。
SFというより
SFという設定を生かした
サスペンスだな。

ラスト辺りのどんでん返しはおもしろかった。

もっと面白かったのは
未来がわかると
逆に未来に縛られていく。
その未来に現実を合わせようとする
発想が面白かった。

タイムシャッフル
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実録山田

山田孝之の初出版書籍。
おじいさんとの話に泣けた。


自らの体験をもとに
書いたエッセー本。

自身の役者について書いた一篇が
やはり興味深い。
映画『凶悪』で
自分ではかなりいいできの演技だったと思ったが
試写会を観たら、あまりのできの悪さに愕然。
その理由が、監督が一部映像の順番を入れ替えたからだった。
感情の流れがチグハグになって
それで違和感が生まれた。
このエピソードに演技の深みを感じた。

沖縄の破天荒なおじいちゃんとのエピソードでは
最後にちょっと泣いた。
おもろうて、やがて悲しき。
山田孝之のおじいちゃんへの愛情が感じられた一篇だった。

実録山田
実録山田


[ 2016/04/09 08:52 ] | TB(0) | CM(0)

マダム・マロリーと魔法のスパイス

フランスの小さな町で起こる
インドレストランと
フレンチレストランの戦い。
料理映画は引き込まれる。


インドの料理店が燃え
放浪の旅に出たインド人大家族が
フランスの小さな町で
ミシュラン常連のフレンチレストランの向かいに
インドレストランをオープンしたから、さあ、大変。
フレンチレストランとインドレストランの戦いが勃発。
そこに両レストランの人々のラブストーリーも絡んで
ハッピーな展開へ。

料理ムービーは
引き込まれる。
料理は、人をハッピーにするから
映画もやっぱりハッピーになっていく。
だから、観る者を引きつけるのかな。

この映画はインド人のシェフであるインド人オーナーの息子が
スパイス使いで一躍人気者になっていく辺りが
お気楽だけど夢を感じる。
さらにフレンチレストランのシェフとの恋もいい。

さらにさらに。
フレンチシェフのオーナー女性と
インドレストランのオーナーも次第に近づいていく。
何ともハッピーになる映画だ。

マダム・マロリーと魔法のスパイス
マダム・マロリーと魔法のスパイス ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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