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本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > アーカイブ - 2017年10月

シャイン/スコット・ヒックス✓

実話の強み。

実在のピアニストである
デイヴィッド・ヘルフゴットを
モデルにした伝記映画。
事実のパワーはスゴい。
冒頭、ピアノのあるレストランを
窓越しに覗く男。
登場から、そのキャラクターに引き込まれた。
天才的ピアニスト。
父との葛藤。
精神的破綻。
その後の幸せな結婚。
ピアノシーンのカタルシスは凄い。
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マエストロ!✓

唯一無二の映画ではない!

解散に追い込まれたオーケストラが再結成する。
松坂桃李は第1バイオリンでコンサートマスター。
オケを再結成させた謎の指揮者に西田敏行。
挫折だらけのメンバーが徐々に力を取り戻していく。
予定調和。西田の指揮者が異化効果をもたらすが、そのくらい。
観ていてホロっとしたり、ちょっと感動したりするが。
時とともに忘れ行く映画。

シン・ゴジラ✓

東日本大地震への
鎮魂歌として生まれた。


元来、ゴジラは核実験への批評として誕生した。
時を経て、怪獣ものになり下がり、
本来の批評精神やアンチテーゼとしての意味は
薄れかかっていたが、
シン・ゴジラが新たな地平を拓いた。

ここでは、ゴジラに象徴される大災害に
対したときの官僚主義が
シニカルにコミカルに描かれる。
官僚主義をテーマにした物語といえば、
踊る大捜査線が印象的だが、
シン・ゴジラは、ゴジラのパワーで圧倒的に超えていく。

各所の調整に右往左往し、
前へ進まない日本政府だが、
その主要構造がゴジラによって
完膚なきまでに破壊されたとき、
主人公の長谷川博己を中心として
新たな姿が浮かび上がってくる。

そこで繰り出される作戦は、
確信犯的にエバそっくりであり、
ここにエバファンの喝采が想像される。

かくして、ゴジラは凍結される。

ラストに関しては、さまざまな解釈を可能にするが、
僕は幾多の災害で亡くなった方の姿であり、
ここに鎮魂の意味を見る。

凍結したゴジラが再び活動するかどうかは、
日本の原発政策次第だと、と
シン・ゴジラは
現実世界に問題を投げかけて終わっている、
そう感じたのは、僕だけだろうか。

グラスホッパー✓

渋谷交差点の惨事から始まる
闘いの物語。


ハロウィンの夜。
渋谷交差点に暴走する車が突っ込み、
多くの被害者を出す。
この事件はある暴力集団の故意だった。

この集団に忍び込む優男の生田斗真、
暴力集団の副社長にそれぞれ別に雇われている
殺し屋浅野忠信、山田涼介、
さらに謎の殺人者・吉岡秀隆が入り乱れ、
暴力集団の社員・菜々緒が追う。
それぞれにドラマとトラウマを抱え、殺し合う。

グラスホッパーとは、バッタのこと。
バッタやイナゴは群集すると殺しあう。
さて、この殺し合いは、
渋谷をコロシアムとした殺戮ゲームと見ることもできる。
サスペンスとして映画の魅力はある。
山田涼介がいい。

しかし。
観終わった後に何を感じるかと言えば、無力感。
それこそが、グラスホッパーの意味かもしれない。

波瑠を生田の殺された彼女に配して、
ラストに優しいエピソードを原作とは違う形で加えたが、
これが一服の清涼剤となってはいない。
映画としては必要なカタルシスとして
置かれたこのしかけによって、
グラスホッパーの乾いた切なさは
ウェットなものに変わってしまった。

偉大なるマルグリット✓

ヒロイン・マルグリットの魅力を存分に味わう。

あらかじめ言っておく。
ヒロインは若い女性ではない。
年齢を重ねた婦人。
しかし、この婦人が大いに魅力的だ。
主人公のチャーミングさが大切だと
思い知らされる1本。

マルグリットはリサイタルを夢見る音痴の侯爵夫人。
冒頭、自宅でのチャリティー音楽会。
ためてためて
出てきて歌うのだが、
その音痴っぷりにやられる。

その夫人を慕い、支える黒人執事。
音楽会に潜り込んできて
その後、婦人を振り回すハチャメチャな詩人、
夫人のシンパとなっていく作家など
キャラクターが個性的。

夫は夫で
夫人の歌を聴きたくないために、
あえて木のある丘で
毎回車を故意に故障させる。
この場所が最後に象徴的な役割を果たす。

ラスト近く。
夫人がリサイタルの場で
美しい声を一瞬披露するのだが……。

フランス映画のコメディは
人生を浮き彫りにする。
音痴の侯爵夫人がオペラの舞台を夢見るが、
本当に求めていたのは、夫の愛だった。

秒速5cm

とてつもなく、切なく、悲しい。

切ない恋は、思いがすれ違っていく恋である。

3話のショートストーリーが
ひとつの話をつくる。

冒頭の第一話は引っ越した女友だちに
会いに行く中学生の話。
現実の街や電車を再現したリアルな映像が
切なさをかきたてる。
雪が降ってきて、電車は遅れる。
彼女は待ってているのか?
ラストが心に残る。
男の子は鹿児島に転校すると告げる。
二人は口づけを交わす。
幼い恋、強い思い。
しかし、思いはここでピークを迎える。

第二話は転校した男の子を好きになった
女の子の話。
男の子は送れないメールを打ち続けている。
この恋はどちらも切ない予感。

第三話は大人になった男の子の話。
男の子は初恋の女の子とすれ違う。
あの中学生の恋から、
どれだけ遠くに来てしまったのだろう。
主人公は。僕たちは。

山崎まさよしの
ワンモアタイム、ワンモアチャンスを
フューチャーし、
これまでの映像が一気に流れるラストは
胸を締めつける。
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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