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ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > アーカイブ - 2018年04月

欲望の資本主義2017~ルールが変わる時~

欲望は満たされない。
欲望は増殖する。

気づきの多い経済ドキュメンタリー。

ノーベル経済学賞を受賞した
数々の経済学者や
日米の経営者に
日本の新進気鋭の経済学者が
インタビューした内容を
構成した番組。

キーワードは欲望。

資本主義は
欲望をガソリンとして
成長を続けてきた。
永遠に成長は続くのか?

欲望は満たされない。
むしろ、欲望は増殖する。
資本主義が会社という組織を持ち始めてから
自己増殖する企業の欲望は
まさに増殖する。

そもそも。
アダム・スミスが需要と供給は調和するとして
欲望を善だと説いた。
そして、欲望を解放した。
個人の欲望は需要と供給で
正しい地点に収斂する。
企業もしかり。

しかし、現代、そうではない。
欲望は無限に増殖を求める。

アダム・スミスはこうも説いていた。
「利己心」と「共感」。
2本の足で立つことが重要だと。
その「共感」
言いかえれば、「良心」。
これを置き去りにして、
「利己心」のみが増殖していく。
しかも、人間という個人ではなく
グローバル化する株式会社という
企業の「利己心」が。

また、ケインズが説いた
危機的状況での政府による公共投資を
現代は拡大解釈している。
世界各国は膨大な借金を重ね
ジャブジャブと公共投資を増大させていく。

ケインズはこう説いた。
公共投資は危機的状況の時だけ。
そして、未来は不可知である、と。

ロングレンジで見ると
成長し続ける、ということはない。
少なくとも、リーマンショック以前の数十年のペースでは。

そて、グローバリズムへの疲弊は
トランプ大統領の就任に見られるように
各国は保護主義へ、
突き詰めれば、
ナショナリズムへと
舵を切り始めた。

リーマンショック以降始まった
成長の停滞は
しばらく続く、と
ある経済学者は言う。

そこで、保護主義へ。
それはつまり、成長の囲い込み。
そこから、世界経済は再び成長へと向かう、
という経済学者もいる。
そうではない。
違う経済のあり方を求めなければならない
という経済学者もいる。

自動化に代表されるテクノロジーが
人類を労働から締め出し
あるいは開放し
新たな経済状況が生まれる、
という経営者もいる。

しかし。
ケインズの言葉に戻ろう。
未来は不可知である。

アダム・スミスが解放した
欲望という禁断の果実は
満たされない。
増殖を続ける。

そこには
改めて「共感」
もしくは「良心」
つまりは「文化」が
欲望のあり方を再定義しなければならない。
そう感じた。
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ドライビングMISSデイジー/ブルース・ベレスフォード✓

これはどう老いていくかの物語。

ジェシカ・タンディ演じるミスディジーが
自宅の車庫から自動車を出そうとして
庭から転落するところから話は始まる。

紡績会社の社長である息子が
母親であるミスディジーのために
専属ドライバーとして
モーガン・フリーマン演じるホークを雇う。

頑固なデイジーは
ホークをなかなか受け入れようとしないが
ミスディジーの外出の横を
ゆっくり走るホークに折れて
車に乗ることにする。

ミスディジーはユダヤ人。
ホークは黒人。
この2人の20年にわたる交流を描いた物語だ。

さりげないエピソードに
時代や人種問題などもからめつつ
この物語はミスディジーの痴呆で終わりを迎える。

老人ホームにいるミスディジーを
ホークが訪ね、静かに語り合うシーンがラストだ。

車の転落からミスディジーの老いは始まっている。
ホークも最後には運転をあきらめる。
老い。そして、人生。

どう老いていくかという問いは
どう生きてきたかという問いでもあるのだ。
今という一瞬一瞬の重なりが
些細な毎日の重なりが人生であるのだ。

最後にミスディジーの言葉を受けて
ホークは言う。
「何とかやっていくのが人生です」

神の数式/NHK✓

宇宙はなぜ始まったのか?

その謎を解く秘密はブラックホールにあった。

ブラックホールの底が
宇宙誕生の瞬間と同じだと想定されるからだ。

素粒子理論と相対性理論。
両者を統一すると期待されている超弦理論。

その前にホーキング・パラドックスが
巨大な壁として立ち塞がる。
ブラックホールの底は1点であるのに
そこに熱が発生するのはなぜか?
熱は粒子の活動によって生まれる。
凝縮された1点である
ブラックホールの底でどうやって動くのか?

ブラックホールの底に
折りたたまれた10次元が存在したからだと
数式は示した。

素粒子は超弦である。
それは異次元に潜み、動き回る。

超限理論による10次元の存在の提唱。
さらにM理論による11次元の登場。
物理学は神の数式に近づこうとしている。


理論物理学者は宇宙誕生の謎を
1つの数式で表わそうと苦闘してきた。

それはなぜ宇宙は誕生したのか?
なぜ人類は誕生したのか?
という謎を探求する
哲学的問いに他ならない。

宇宙誕生の秘密を
1つの数式で解明したとき、
なぜ人類が誕生したのかという
哲学的問いに、
人類は歩み出すのだろうか?

シンプル・プラン/サム・ライミ✓

ゆでガエルは誰にもある。

ゆでガエルの法則をご存じだろうか?
カエルを水に入れて熱していくと
熱湯になっても気づかず
カエルはゆだってしまうという話だ。
これは人間にもある。

このミステリーは
3人の男が墜落した飛行機に
積まれていた440万ドルを
発見したところから
物語が動き出す。

目の前に大金。
あなたならどうする?
3人は山分けを画策するのが第1フェーズ。
主人公が妻に言われ、
飛行機に現金を少し戻しに行くのが第2フェーズ。
さらに仲間割れが第3フェーズ。
第4フェーズになると飛行機を探しに
FBIまでやってきて
ラストのどんでん返し。
さらに落ちまでついてくる。

理性的な主人公が
現金を目の前にして
手を出してしまったことから
次々と起きるアクシデントの中で
悪にどんどん手を染めていく。
気がつけば、悪の熱湯の中。
これは他人事ではない。
アルコール
煙草
ギャンブル……
習慣性から気がつけばドップリはいろいろ。
人はそうしたゆでガエルの生き物なんだ。
そうしたことが頭を巡った秀作ミステリー。

監督は『死霊のはらわた』
『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミ。
雪を降りしきるアメリカの田舎町を舞台に
リアルな恐怖が主人公を締めつけていく。

最初は何だかなという感じの
無職で風采の上がらない兄が
次第に人間味あふれる魅力を出してくるのも
どんどん悪に染まっていく弟の主人公との対比で
なかなか良かった。

ぼくは明日、昨日のきみとデートする/三木孝浩✓

別れは繰り返される。
出会いもまた。

SF系ラブストーリー。
前半は少しゆっくり目だが
それは意味があった。
後半は涙いっぱいのラブストーリー。

美大生の福士蒼汰は
電車の中で本を読む小松菜奈に
一目ぼれする。
駅を降りた彼女に彼は告白する。
二人は繰り返し会うが、実は……。

人はなぜ泣くのだろう?
別れがあるから。
年齢を重ねていくと、
今日会っている人と
明日は会えるかどうかと感じる。
今日好きな人は明日も好きだけれど
今日好きな人に明日会えないかもしれない。

一期一会。
でも。
人は愛している人と
永遠を求める。
しかし、人の命は限りある。
だから、人は別れを予感して
泣くのだろう。

この映画は
SF的ストーリーに
男女それぞれの出会いと別れが
運命的にすれ違う。
端と端は一緒で、つながって一つの輪になる。
端は橋に通じて、だから、人は橋に惹かれるのか。
京都三条大橋での出会いは意味が深い。

福士蒼汰はSFラブストーリーで生きる。
小松菜奈は、チャーミングだ。
魅惑的な魅力は残念ながら、この作品では封印されている。

人は出会う。そのときに別れは予定されている。
だけれども、それを乗り越えようとする。
死という運命と抗う人の生き様には
涙してしまう。

BG/常廣丈太(テレビ朝日) ・七髙 剛✓

ラストがちょっと肩透かし。

木村拓哉主演で
豪華メンバーを共演者に置いた
ボディガードストーリー。
まあまあ、楽しめた。
終盤でBG課長の上川隆也が死に
ラストに向けて、弔い合戦の様相。
敵役のSP江口洋介も不穏な動きを見せ……。
最終回、あの終わり方にはちょっと肩透かし。
まあ、冷静になれば、ああしかないかとも思うが
それまでのあおりに
ちょっとつじつまの合わない部分もあって。
で、シーズン2やるのかなという
予感もする終わり方でした。
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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