FC2ブログ
ホーム > 小説 > 僕の彼女(不定期連載の1)

僕の彼女(不定期連載の1)

朝起きると、冬の雨が上がっていた。
ポカポカと暖かくなりそうだと、テレビの愛ちゃんがいうので
今日はいい日になりそうだと、僕は思った。
そのあとの占いで落ち込まないといいけれど。
彼女に会ったら、さっそく教えなきゃ。
僕と彼女の関係はおそらく一般的ではない、
と彼女はいつもいう。
たとえば、うちに来ると
料理はデビューが遅かった僕が作り
彼女がそれをジャッジする。
しょっぱい、甘い、多い、少ない。
短い言葉で彼女は的確にジャッジする。
メジャーリーグの審判員のように
絶対の自信で告げる。
僕はそうしたジャッジを待ち受ける
新人バッターだ。
新人バッターの常で失敗を犯す。
この日もそうだった。
夜ご飯はうちで僕が作った。
メニューは最近得意なポトフ。
ヘルシーで野菜をたくさん食べられるので
よく作るのだが、スイングが安定しない。
今日は野菜を鍋に放り込みすぎて
薄味のひょろひょろスイングだった。
案の定、彼女はその内角低めをついてきた。
新人バッターに打てるはずがない。
しかし、彼女の美点は
評価しながらもきれいに平らげる点だった。
彼女の皿はこの日もピカピカになっていた。
「明日、素振りをしよう」
新人バッターは心に誓った。
こういう毎日もそう悪くはない。

スポンサーサイト
[ 2008/12/18 10:11 ] 小説 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

リンク/画像について

リンク/画像に問題がある場合は
トラバかコメントで書き込みください。
削除いたします。

月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム