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沈まぬ太陽 本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

沈まぬ太陽

一人の男の生きざまが語る
日本という国の高度成長時代。
そして、これからの再生。


日本を代表する航空会社を舞台に
その組織の中で苦汁をなめ続けた男の物語である。

渡辺謙が主人公として
映画化の強力な推進役として
大きな力を発揮している。

敵役となる三浦友和もいい。

冒頭、御巣鷹山の事故を彷彿とさせる
事故シーンから始まる。

その背後に安全管理に対する
空港会社の落ち度はなかったのか。
遺族に対する折衝係の一人に
渡辺があてられる。
一方、会社経営側には三浦がいた。

実は渡辺と三浦は
若かりし頃
ともに組合の委員長と副委員長で活躍した関係だった。

筋を通し続ける渡辺は
組合活動の反動で海外勤務に飛ばされる。
その後、ずっと海外を転々とさせられるという
理不尽な仕打ちに合う。
しかし、自負と矜持を持ち続ける渡辺は
会社を辞めないでその境遇に耐え続ける道を選ぶ。

一方、三浦は経営陣に寄り添っていき
いつしか経営陣の中枢に上り詰めていく。
組合時代から変質していく三浦の生き様。
上を志向せざるを得ない三浦の辛さも吐露される。

そして、冒頭の未曾有の事故の遺族たちの悲しみ
それに応えようとする渡辺の熱意。

そこから、渡辺と三浦の過去が
フラッシュバックのように描かれていく。

渡辺の家族の離反と再生。

三浦の上昇への強い意志と最後の失脚。

男たちと女たちのさまざまな生きざまが
昭和現代史にいつしか流れ込んでいき
大きな奔流となっていき
すべての人を現在へと連れてくる。

そして、繰り返し描かれる
アフリカの太陽の映像が
物語の再生を
日本という国の再生への切なる願いを
象徴的に照らし出す。


原作の山豊子氏は
さまざまな産業界を描いてきた。
そこに一貫して流れるのは
ある種冷徹に一人ひとりを突き放して
歴史の流れの中に置くスタイル。
そして、すべてのストーリーを象徴するシーンを
繰り返し描き出すことで、
物語の不変性や神話性をクローズアップこと。

この物語では
沈まぬ太陽という題名が示すように
アフリカで見た太陽に
日本企業と
そして、日本という国のこれからを暗示する。

そして、渡辺謙が演じた一人の男の物語は
私たち一人ひとりの昭和史と重なりあっていき、
これからの日本人のあり方を問うている。


沈まぬ太陽 スタンダード・エディション(2枚組) [DVD]沈まぬ太陽 スタンダード・エディション(2枚組) [DVD]
(2010/05/28)
渡辺 謙、三浦友和 他

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プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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