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永遠のとなり 本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

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永遠のとなり

落ち込み本がいい。

白石一文氏の本が好きなのは
落ち込み本だからだ。
村上春樹氏の初期の作品もそう。

出てくる主人公はどこか世を諦めていて
それが自分にも通じる。
世を諦めるということは
どこかで自分も諦めている。
そういう意味では太宰にも通じる。
そんな本を読むとちょっと落ち込む。
そして少し自分と人生について考える。
そんな時間が逆に
自分が生きていることを感じさせてくれる。
あるいは。青春時代を思い出させてくれる。

さて『永遠のとなり』。
改めて書いてみて、この題名からしてそう。
人間のことだよね。
永遠のとなりにいるやるせなさ。
でもそこにいるしかない諦念。
そこからの生きざま。

主人公は部下の自殺などから、うつ病になって
ふるさとの博多に帰っている。
小学校以来の親友は肺がんを発病している。
この二人を中心にした日常の物語だ。

自分って何?
人生って何?
そんな言葉がところどころに散りばめられる。

「おそらく人間は自らの孤独と向き合わなければ、
 自身の真価を見出すことがむずかしい生き物なのだ、
 と最近思うようになった。
 幼い頃の私に欠けていたのは、
 その孤独と向き合う力だったような気がする」

「わしは最近、大事なんは生きとるちゅうことだけで、
 幸せなんてグリコのおまけみたいなもんやと思うとる」

「お惣菜屋は女の敵かも」

それからごく日常の食事シーンが妙にリアルで
おいしそうなのも白石氏の魅力だ。

この本は病と生をモチーフにしながら
生きることの意味を声高にではなく
はすに構えながらも模索している。
それでも、生きている。
そのことに意味がある。
そのことにしか意味はない。

落ち込み本はそんなことを
改めて教えてくれる。

永遠のとなり (文春文庫)永遠のとなり (文春文庫)
(2010/03)
白石 一文

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[ 2011/07/27 11:45 ] | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
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