FC2ブログ

苦役列車 本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ホーム > > 苦役列車

苦役列車

列車の一日の終わりに。
一杯のコップ酒程度の人生。


人生とか、生きるとか。
そんなことを語らない。

毎日ただ一杯のコップ酒のために働く港湾人足生活。
その日々の暮らしが、その中での葛藤が
なぜこんなに興味深いのだろう。

働く。飲む。孤独。
振り返れば、生き物としての私も
似たようなものなのだ。

主人公の北町貫多は、十九歳。
友も、女もなく、日雇いの港湾人足で
日々をつなぐ。
仕事終わりの一杯のコップ酒を楽しみにする。

平成の私小説は
そこからことさらに人生を語ることもなく。
搾取を訴えるのでもなく。
ただ自らの孤独に苛立っていく。
ただそれだけの人生。

港湾仕事で出会った大学生と親しくなるが
しょせんすれ違うだけの間柄。
飲んだ罵詈雑言で関係を失い
また孤独にはまり込んでいく。

日々。酒。苛立ち。人生でもない生活。
明日も立てられず、今日も省みず。
されとて振り返る過去もなく。

ただ一点。生きている。

そこから何かを読み取るも自由。
読み取らぬも自由。

平成の日々は漂いながら
気がつけば、明日へと流れていく。

苦役列車苦役列車
(2011/01/26)
西村 賢太

商品詳細を見る
スポンサーサイト



[ 2011/08/09 10:15 ] | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

リンク/画像について

リンク/画像に問題がある場合は
トラバかコメントで書き込みください。
削除いたします。

月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム