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ステキな金縛り 本と映画とDVDはこれを見よ!

ほぼ1日1作品をめざしてレビュー!

ステキな金縛り

見える? 見えない?

幽霊が法廷で証人席に立つという
三谷監督の法廷ファンタジー。
ダメ弁護士の深津絵里が
殺人事件の証人として連れてきたのは
西田敏行演じる落ち武者の幽霊。
深津には西田が見えたのだった。
この設定からして笑えることは必至。
敵役である小日向文世演じる天国の公証人が登場すると
映画はグッとファンタジー色を強める。
西田&深津VS小日向。
小日向はニヒルな怪演が光る。
法廷で人間でない者同士が論戦を張る。
しかも、それが自然に感じている。
もう三谷マジックにやられている。

三谷の映画の登場人物は
典型から造形へ変化する。
ダメ弁護士の深津もそう。
落ち武者の西田もそう。
ダンディな深津の上司の阿部もそう。
こういう人ならこういう感じという
誰もが思う典型をまず設定する。
典型だから、誰にもスッと入ってくる。
そして、そこに独特の個性を付け加えていくことで
典型が魅力的な人物に造形されている辺りは
お見事としか言えない。

この映画の本質は、愛だと思う。
幽霊を見える人と見えない人がいる。
映画では3つの条件を上げていたが
個人的には生前のその人や動物への愛の深さが
見えたり、見えなかったりさせていると思う。
愛情は自分には見える。強く感じられる。
しかし、他人にはもちろん見えない。
場合によっては相手でも見えなくなったりする。
こうした愛情の滑稽さが
このコメディのキモであるように感じる。
だから、この映画では
人が幽霊や幽霊動物と会話したり、ふれあったりするシーンでは
必ず他人の目から見た一人で話していたり、
一人で奇妙な動きをしているシーンが後を追いかける。
つまりは、自分には愛情は見えてるけど、他人には見えない
という場面をていねいに描く。
ここで笑いが起きるのだけれど
笑いながら、切なくなってくるのは
笑っているのは、自分の愛は、他人には見えない
理解されにくいという
その切なさのせいなのだ。

一番笑ったのが
敵役の検察官である中井貴一が
あの世に逝った愛犬と寝転がりながらふれあうシーン。
当然、一人で「よ~しよしよし」なんて言っているシーンが
すぐさまインサートされる。
ここで大爆笑なのだが
しかし、その亡くなった者への愛情に対して
胸が熱くなってくる。

愛情は他人には滑稽であるということだろうか。
しかし、滑稽だからこそ、切なく
見る者の胸を熱くする。

そして、また。
見えていた亡くなった者たちが見えなくなる
ということはハッピーになっていっているという証であるが
亡き者への愛情という呪縛から解け
今という人生を生きるということだが
それはまたそれで切なくなる。

笑いと涙が交錯する
三谷のホラー&ファンタジー&法廷&コメディ&ヒューマンシネマ。

見える? 見えない?
あなたの大切な愛情は?

【映画パンフレット】 『ステキな金縛り』 監督:三谷幸喜.出演:深津絵里.西田敏行.阿部寛.竹内結子.浅野忠信【映画パンフレット】 『ステキな金縛り』 監督:三谷幸喜.出演:深津絵里.西田敏行.阿部寛.竹内結子.浅野忠信
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プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
できない日はごめんなさい。

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