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ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち

本を読み返したくなるミステリー。

これは本の物語だ。

一冊の本が
人生と深く関わってくることを
思い出させてくれるミステリーだ。

本で本の話を読む。
本好きならドキドキしてくる。
ていねいに紡がれた物語は
一冊の本に分け入りひも解く。
その本を読み返したくなる。
絶妙のブックレビューと言えるかもしれない。
題材となった本を
事細かに紹介しているわけではないのだが。

舞台は北鎌倉の古本屋「ビブリア古書堂」。
ヒロインは人見知りなのに
本のことになると雄弁になる篠川栞子。
助手となるのがその本屋で働くことになった
本が読めない男・五浦大輔。

一冊の本を題材に
謎を栞子が解いてゆく。
栞子は怪我で病院に入院中。
五浦の語る情報と本だけで謎解きをする。

これは正統なアームチェア・ディテクティブだ。
安楽椅子探偵というより入院探偵だが。

そして栞子と五浦の関係は
ホームズとワトスンの関係に
なぞらえることができる。
ここにも正統ミステリーの系譜がある。

五浦は栞子に好意を抱いている。
ほのかな恋愛物語も予感されてくる。

人見知りなのに、本のこととなると
俄然雄弁になる栞子のキャラクターもいい。
多分男性が好きになるタイプのヒロインだろう。

物語はそれぞれが独立した事件の形を取りながら
4本目の太宰治『晩年』でそれまでの物語がつながっていく。
これには少し鳥肌が立った。
そしてどんでん返し。
恋の行方も占いながら
大団円を迎えたこの事件手帖は
思わず2冊目を買いたくなる余韻にあふれている。

それから。
僕は『晩年』を読み返したくなり
買ってしまった。


ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)
(2011/03/25)
三上 延

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[ 2012/11/13 09:29 ] | TB(0) | CM(0)
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Author:ミツ
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フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
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