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希望論―2010年代の文化と社会

震災後の日本における
希望とは何か。


宇野氏と濱野氏は
若き評論家と学者。

日本のインターネットや
ポップカルチャーで得られた
知見を参考に
ポジティブな提案ができればと述べる。

Ⅰ震災から考える では
「原発」を内部的な力の暴走と言う。
では復興への希望をどうとらえるのか。
地域コミュニティの再生に
ソーシャルメディアを使った
ボトムアップ型の復興を
推奨しているように読める。
そこに異議を唱えながらも
結局、同意しているように読める。
そうではあるが。
それでは少し希薄なように感じる。
メディア論と新たなメディアから
生まれる新しい形の復興は理解できるし
そうした試みはさまざまに行われているし
行われていくのだと思う。
しかし、インターネットやソーシャルメディアと
現実との融合やリンク、拡張現実の部分を
もっと議論してほしかった。

Ⅱ「戦後以降」を考える では
「虚構の時代」の終わりから
「拡張現実の時代」へ。
70年代以降~高度成長の終わり以降~
を切っている。
そこで日本的なインターネットの
独自の発展の姿を取り上げて
インターネットやそこで広がる
ポップカルチャーに目を向けている。
ニコ動とかAKBとか
日本的想像力(創造力)をクローズアップする。
それはわかる。
しかし、経済的なデフレ状況が
これまでのこうした気分をつくってきて
これからインフレに向かうとき
そこがどう変わるのか。
70年代以降の「虚構の時代」は
終わりを告げ、大きな物語は語られず
右肩上がりは終焉した。
しかし、経済という下部構造が
こうした時代の空気をつくってきたとするなら
これから変わりゆく世界をどう見るのか。
そこを語ってほしかった。

Ⅲ「希望」を考える では
希望とは自己承認ととらえ
またインターネットが出てくる。
もちろん、日本的ガラパゴス的
ネット上でさまざまな承認が
されうる機会がある。
そして、仕事での承認ではなくていい
的な論調もあった。
しかし、しかし。
長い目で見ると
仕事はその人の人生に
大きな時間を強いる。
お金を生み出す。
もちろんネットからのビジネス展開も
大いにあるが、そこにはあまり触れていない。
文化論だけでなく、
経済論として、ネットを考えないと
全体的な論議にならないと感じる。

アベノミクスは本質的な潮流なのか
あだ花なのかはまだわからない。
しかし、こうした政治、経済の動きも踏まえて
これからの「希望」を語ってくれることを
希望したくなった一冊だった。

希望論―2010年代の文化と社会 (NHKブックス No.1171)希望論―2010年代の文化と社会 (NHKブックス No.1171)
(2012/01/28)
宇野 常寛、濱野 智史 他

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[ 2013/09/05 16:37 ] | TB(0) | CM(0)
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