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アヒルと鴨のコインロッカー

すべてが帰結していく切なさ。

ピカピカに光る黒のローシューズを履く女がいる。
本題には関係がない。
この文章を書いている居酒屋の光景だ。
光るモノは心惹かれる。
磨きこんだ心根は美しい。

井坂幸太郎の小説が原作。
井坂は見事な伏線を引く。
そして、美しく回収する。
美意識。あるかなきかの切なさ。
そのさじ加減が絶妙だ。

この映画はそのさじ加減を少しウェットに再現した。
生身の俳優が演じる情こそが見所だ。

仙台の大学に受かり、
アパートに引っ越した青年が浜田岳。
何でも受け入れる青年を演じながら、
次第に主導権を取っていく演技は秀逸だ。

物語は浜田岳が、隣の部屋に住む
瑛太演じる怪しい男に
書店襲撃を持ちかけられるところから始まる。

広辞苑。
ネパール人。
子犬。
ボブ・ディランの『風に吹かれて』。
ペットショップの女店主。

すべての謎がひとつになっていく後半は
美しく、切ない。

何かを言いたいようで、何も言いたくない。
この気分はまさに井坂幸太郎ワールドだ。

瑛太がいい。
松田龍平がいい。
ラストで駅構内に響く
『風に吹かれて』がいい。
すべてを語っている。
改めてディランを聴きたくなった。


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(2008/01/25)
濱田岳、瑛太 他

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Author:ミツ
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