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母に欲す(WOWOW演劇)

男はみんなマザコン。
この紋切型に挑んだ三浦演劇。
主演の峯田和伸(銀杏BOYZ)と
池松壮亮がいい。


母をテーマにして描く。
しかも生々しい感情を発露して。
なかなかに勇気がいることだ。
僕などは母が亡くなっているが
いまだに母への感情を語ることへの
恥ずかしさや戸惑いがある。

男はみんなマザコン。
言われ過ぎたきらいがある言葉であるが。
すべての男が抱く母への感情発露の恥じらいこそが
このマザコンの裏返しではないだろうか。

彼女を好きと言う恥ずかしさと
母に好きと言う恥ずかしさは
似ていて非なる。
そここそが母への感情のやっかいなところだ。

さて、演劇である。
WOWOWで観た。
舞台は生で観なければとは思う。
しかし、WOWOWの演劇はなかなかである。
カメラワークがいい。
演劇を映画的に再編集したと言ったらいいだろうか。

物語は峯田和伸演じる汚いかっこうをした
いかにものダメ男が母の死を知るところから始まる。
しかも、葬式は終わっていると言う。
男は激安風俗を呼んでいた。
それをキャンセルして田舎へ向かう。

田舎には弟と父が暮らしていた。

弟が池松壮亮だ。

この後、田舎の家を舞台に
弟と兄の母への思いが語られ、
喧嘩や葛藤もあり、第一部が終わる。

第二部は四十九日後。
なぜか新しいお母さんになる人が家にいるところから
物語は動いていく。

作・演出は三浦大輔。
彼の演出手法はある種露悪趣味というか
人間の日常のダラダラしたところや汚いところ
つまらないところ、ある種の嫌な感情を
これでもかと描いてくる。
なんとなく観ていて居心地が悪くなる。
これは感動や興奮、ドラマチックなどの
いわゆる演劇的な手法を捨てて
異なる地平から演劇を再構築する手だてに見える。
だからこそ、彼の舞台に立つ役者たちは
自らの中にある見たくない部分を
さらけ出させられることになる。
これを観てどう感じるか。
自分を解放できるか、どうかが
観る側の度量に関わってくる。
笑っているのに、それが自分に中にもあって
居心地が悪い感じが終始つきまとう。
それは僕という人間の
自分発露の程度によるのかもしれない。
人に嫌な自分、かっこ悪い自分を見せたくない。
そうした思いが強い僕は常に居心地が悪かった。
しかも母の話であるから、なおさらだ。
エッチの話より恥ずかしいかもしれない。

舞台に登場したニュー母さんは
兄と弟に言われるまま、気に入られようと努める。
その姿は二人の理想の母像という
シンボルを描こうとしているのかもしれない。
必然的に二人はニュー母さんに惹かれていく。
そこに性的なものは必要ない。
もっと恥ずかしいものがそこにあるのだ。

そして、さらに唐突な転換。
やや予想できたラスト。
兄と弟の母離れはゆっくりと始まっている。
それは母への思いを吐き出したからこその
始まりなのではないか。

母に欲す

母に欲す2


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Author:ミツ
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