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風に舞い上がるビニールシート

心に引っかかるタイトルだ。
このタイトルが意味するところは
難民キャンプで軽々と舞い上げられていく
人の命や幸せや尊厳だ。
ただし、と、あわてて言うと
作者は世界で起こっている戦争や
その被害にあっている難民のことを
声高に訴えようとしているのではない。
この本は、6人の人々のささやかだけれど
重大な物語の掌編が並ぶ。
そして、タイトルとなった
「風に舞い上がるビニールシート」は
最後に置かれている。
国連難民事務所(簡単に書くと)に入った
里佳は、そこでエドという上司に出合う。
彼と恋におち、結婚する。
しかし、彼は紛争地域へ出かけて行くことを止めない。
そして、彼の身に……。
こう書くとありきたりのストーリーに思えるが
そうしたストーリーに身を置く主人公の
感情のうねりと共感して読み進むとき
この本はすべての人にとって
現代に生きるその人自身の物語となる。
風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)風に舞いあがるビニールシート (文春文庫)
(2009/04/10)
森 絵都

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[ 2009/05/08 15:24 ] | TB(0) | CM(0)
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Author:ミツ
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フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
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