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エール!/エリック・ラルティゴ✓

あうんとユニーク。

聴覚障がいは個性だ! と断言し、
家族で大規模な牧畜農家を営む父。
母と息子も聴覚障がいだ。
高校生の娘は聴覚障がいがなく、
手話で家族の通訳代わりを務める。

この娘がいい。
ちょっとふっくら系だが、
元気が良く、チャーミング。
ヒゲの父も存在感にあふれ、
母は美しい。
息子は幼い。

フランスの美しい田園風景の中で描かれる
この家族の物語は、
ユーモラスに、テンポ良く進んでいく。

娘が高校のコーラス部で
歌の才能を認められたところから
物語が動き始める。

パリでのオーディションの話が持ち上がり、
同時に父の村長選立候補がからみ、
娘と家族に亀裂が生じるが……。

娘が学校で歌うシーンで、
聴覚障がいの心象風景として
音がなくなる。
この演出には心をつかまれた。
音のない世界で生きることの姿を
突きつけられる。

ラスト。
娘は悩んだ末、パリのオーディションに向かう。
家族といっしょに。

そして、家族に向かって、
手話をしながら、歌い続ける娘。
涙ぐむ家族の姿。

聴覚障がいの家族に
歌は届くのか。
究極の難題に
愛というひとつの答えが見えた。
涙が止まらないシーンだった。

ユーモラスに、個性的に
きびしく、やさしく。
フランス映画はとても豊かだと感じられる。
それは、一人ひとりの個性を
本当に尊重しているからだ。
いや、一人ひとりがあって、
その上に家族があり、社会があるからだ。

異質性を前提とした社会の物語がそこにある。
だから、同質性を善とする
日本にはない豊かさを感じる。

あうんの呼吸の日本。
一人ひとりが違うところから始まるフランス。

国民性の違いが
映画の違いになっている。
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プロフィール

ミツ

Author:ミツ
神奈川県在住の
フリーランスコピーライター。
本と映画を中心に
1日1レビューをめざします。
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